【2026年最新】Shopifyでメルマガを配信する方法|無料枠10,000通の仕組みと届かないメールを減らす設定

  • 最終更新日:2026.10.22

Shopifyには、追加アプリなしで使えるメルマガ配信機能が標準で備わっています。ただ、2025年12月に「Shopify Email」から「Shopify Messaging」へ名称が変わったこともあり、古い名称や「無料枠2,500通」といった以前の情報が、いまも混在しています。

この記事では、これからメルマガを始めるEC担当者に向けて、料金と無料枠、届かないメールを減らす設定、守りたい法令の3点を公式情報をもとに整理しました。費用と届きやすさの両面から設計するときの判断材料にしてください。

目次

Shopify Messaging(旧Shopifyメール / Shopify Email)とは

Shopify標準のメール配信機能です。2025年12月に名称が変わり、扱えるチャネルも増えました。まずは、現在の名称や機能から確認していきましょう。

2025年12月に「Shopify Email」から名称変更された

2025年12月10日、Shopify公式のchangelogで「Shopify Messaging(旧称:Shopify Email)」として発表されました。アプリストアの掲載名も、同じく「Shopify Messaging」に変わっています。日本語のヘルプでも英語表記のまま使われているため、この記事でも英語表記で統一します。

メール・SMS・WhatsAppを1つのアプリで扱える

これまでのShopify Emailでは、その名のとおりメールの配信が中心でした。名称変更後のShopify Messagingでは、管理画面からメール・SMS・WhatsAppのキャンペーンを作成して送れるようになり、1つのアプリで複数のチャネルを扱えるようになっています。利用するときは、プライバシー設定で「Shopify Network Intelligence」を有効にしましょう。

なお、注意しておきたい点が3つあります。

1つめは、SMSの提供地域が限られることです。2026年10月時点のヘルプでは、対応国に日本は含まれていないため、日本のストアではメールが中心になります。

2つめは、オートメーションの対象についてです。こちらも2026年10月時点のShopifyのヘルプによると、オートメーションの対象はメールとSMSで、WhatsAppは含まれません。

3つめは、Shopify Network Intelligenceを有効にする必要があることです。Shopify Messagingを使うには、プライバシー設定でこの機能をオンにしておく必要があります。

利用できるプランと管理画面での場所

Shopify Messagingは、Basic・Grow・Advanced・Shopify Plusのどのプランでも使えます。

配信までの流れは、次のとおりです。

  1. Growthタブでキャンペーンを作成する
  2. 配信先(顧客リストかセグメント)を指定する
  3. プレビューで内容を確認する
  4. 送信する

なお、2026年6月17日に管理画面の「マーケティング」タブが「Growth」タブ(英語表記)に変わり、キャンペーンはGrowthタブ、オートメーションはShopify Messagingアプリ内に移っています。以前の画面を前提にした情報を参考にするときは、タブ名が違って見えることがあるため、現在の画面とあわせて確認してみてください。

Shopify Messagingの料金と無料枠の仕組み

Shopify Messagingの料金で、とくに迷いやすいのが無料枠の考え方です。名称が変わってまだ日が浅く、旧名称のままの情報や古い数字が残っている場合があります。

ここでは、メルマガの料金とメール配信の費用の考え方を、公式情報をもとに順に整理していきましょう。無料枠のルールを押さえておくと、思わぬ請求も防ぎやすくなります。

毎月10,000通まで無料で送信できる

Shopify Messagingでは、毎月初めに10,000通の無料枠が付与されます。この枠を超えた分から、料金が発生する仕組みです。月10,000通の無料枠は2022年3月から変わっていません。「2,500通まで無料」という説明は、それ以前の情報なので注意してください。

通数は、配信先のメールアドレス単位で数えます。たとえば800人へ1通送れば800通、同じ800人に月3回送れば2,400通です。費用を見積もるときは、キャンペーンの数ではなく、宛先の延べ数で考えましょう。

*参考 Shopify Messagingメールの価格設定

10,000通を超えた場合の料金

10,000通を超えた分は、送る通数に応じて1通あたりの単価が変わります。10,000通を超えて300,000通までは、追加1,000通あたり1米ドルです。300,000通に達すると0.65米ドル、750,000通に達すると0.55米ドルまで下がり、たくさん送るほど単価が安くなる仕組みです。

この区切りは公式ヘルプの表記にそろえています。大きな規模で配信するときは、請求画面で実際の金額もあわせて確認しておくと安心です。

費用が0.005米ドルに達するまでは、請求されません。請求は前月分がまとめて、「マーケティングメール」としてShopifyの請求に加算されます。金額は米ドル建てのため、円に換算するとレートによって変わります。たとえば1米ドル150円なら、2米ドルは300円ほどです(あくまで一例です)。早見表と月額の試算は、次のとおりです。

月間送信通数 料金 無料枠の扱い 備考 判定
〜10,000通 無料 毎月初めに付与 その月に送る全キャンペーンで共有 追加費用なし
10,001〜300,000通 追加1,000通あたり 1米ドル 10,000通を差し引いた分が課金対象 例:12,000通なら超過2,000通で2米ドル 従量課金
300,000通到達以降 追加1,000通あたり 0.65米ドル 同上 大規模配信で単価が下がる 従量課金
750,000通到達以降 追加1,000通あたり 0.55米ドル 同上 最も低い単価 従量課金
チェックアウト離脱オートメーション 常に無料 月間の上限数に加算されない カゴ落ちメールのみの例外 無料枠を消費しない
その他のオートメーション 通常の従量課金 無料枠を消費する マーケティング購読者にのみ送信される 無料枠を消費する
購読者数×月間の配信回数 月間の送信通数 超過分 月額の目安
2,000人×月2回 4,000通 なし 0米ドル
2,500人×月4回 10,000通 なし 0米ドル
6,000人×月2回 12,000通 2,000通 2米ドル
5,000人×月4回 20,000通 10,000通 10米ドル
10,000人×月4回 40,000通 30,000通 30米ドル

見落としやすい3つのルール

無料枠を使うときに、あらかじめ知っておくと安心なルールが3つあります。いずれも公式ヘルプに載っている内容ですが改めて確認しておきましょう。

1つめは、10,000通が、その月に送るすべてのメールキャンペーンで共有されることです。キャンペーンごとに10,000通ずつ使えるわけではありません。月に3回配信するなら、3回分の合計が10,000通以内かどうかが基準になります。

2つめは、未使用分が翌月に繰り越されないことです。月の途中で余りそうでも、ためておくことはできません。

3つめは、課金の対象が実際に送ったメールだけであることです。作成しただけで送っていないメールには、料金がかかりません。

オートメーションのメールも無料枠を消費する

オートメーションとは、ウェルカムや購入後など、条件に合わせて自動で届くメールのことです。このオートメーションで送ったメールも、月10,000通の無料枠にカウントされます。メルマガ(キャンペーン)と同じ枠を使う、と考えておくとわかりやすいでしょう。

例外は、チェックアウト離脱(カゴ落ち)のオートメーションです。こちらは常に無料で、月間の上限数にも加算されません。つまり、「オートメーションはすべて無料」ではなく、「無料なのはカゴ落ちだけ」ということです。カゴ落ちメールを増やしても無料枠を圧迫しないので、優先して設定する価値があります。

また、オートメーションのメールは、マーケティングを購読している顧客にだけ届きます。そのため、まずは購読してくれるお客様を増やすことが大切です。購読の同意をどのように取るかについては、このあとの法令の章でくわしく紹介します。

*参考 Shopify Messaging のマーケティングオートメーション
*参考 Shopify Messagingメールの価格設定

自社の月額はいくらになるか

自社の月額は、購読者数に月間の配信回数をかけた「送信通数」から見積もれます。この通数が10,000通以内なら無料で、超えた分だけが従量課金になります。

たとえば公式ヘルプの例では、10月に6,000人へ2回配信すると12,000通です。10,000通は無料なので、超えた2,000通が1,000通あたり1米ドルで、合計は2米ドルになります。

目安としては、購読者2,500人に月4回配信すると、ちょうど10,000通に達します。リストが数千人を超えてきたら、費用も少し意識しておくと安心です。

なお、ここでの試算はメルマガ(キャンペーン)の通数だけで計算しています。ウェルカムや購入後などのオートメーションの分は、月の通数に足して見積もりましょう。カゴ落ちは無料枠に入らないため、足さなくて大丈夫です。メール以外も含めたShopify全体の費用は、別の記事で整理しています。

*参考 Shopify Messagingメールの価格設定

標準機能でできること・できないこと

外部アプリを探す前に、まずは標準機能でどこまでできるのかを確認しておきましょう。多くのストアは、標準機能だけで十分に運用できています。ここでは、標準機能でできること・難しいこと、そしてアプリを足すかどうかの判断軸を、順に見ていきます。

標準機能でできること

ストアのロゴ・商品・価格を自動で反映してくれるテンプレートが用意されていて、商品セクションも動的に差し込めます。配信先は、顧客リストや顧客セグメントから選べるので、送りたい相手に合わせやすいのも嬉しいところです。送信前にはプレビューで仕上がりもチェックできます。

オートメーションは、ウェルカム、カゴ落ち、購入後などのメールを自動で届ける仕組みです。配信後は、開封・クリック・売上のレポートで結果を振り返れます。また、早期アクセスのCampaign Autopilotを使っている場合は、Autopilotが提案するメール施策も、自分でつくったものと並んでアプリ内に表示されます。

*参考 Multi-channel marketing with Shopify Messaging
*参考 Shopify Messaging – Email, SMS, and WhatsApp marketing made for commerce

標準機能では足りなくなる場面

標準機能でも定型のオートメーションはつくれますが、運用に慣れてくると、次のような場面で物足りなくなることがあります。

  • 複雑な分岐条件を持つシナリオ配信や、細かい行動トリガーの組み合わせ
  • LINEなどを含む、チャネルをまたいだ統合的なCRM運用

前者は、ヘルプによると、Shopify Flowアプリで作成できます。ワークフローとは、複数の処理をつなげた一連の流れのことです。外部アプリを探す前に、まずFlowで足りるかを確かめてみましょう。後者のCRM(顧客との関係を育てる取り組み)は標準機能では対応していないため、必要になった段階で外部アプリを検討すれば十分です。

外部アプリを検討すべきかの判断基準

外部アプリを検討するときの判断軸は、次の4つです。

  • 配信リストの規模
  • シナリオの複雑さ
  • 他チャネルとの統合要否
  • レポートに求める粒度

最初にやることは、個別アプリの機能を比べることではなく、自社がどの軸で標準機能を超えているのかを見つけることです。アプリ名から選ぶよりも、自社の軸から選ぶほうが、失敗しにくくなります。アプリを増やすほど設定や運用の手間も増えるため、標準機能で回るあいだは増やさない、という判断も有効です。

下の表に、標準機能で足りる目安と、外部アプリを検討する目安をまとめました。参考にしてみてください。

判断軸 標準機能で足りる目安 外部アプリを検討する目安 判断のポイント 関連コスト
配信リストの規模 月間送信が10,000通以内に収まる 月間送信が数万通規模になる 購読者数×配信回数で試算する 超過分の従量課金
シナリオの複雑さ ウェルカム/カゴ落ち/購入後など定型で足りる 多段分岐や細かい行動トリガーが必要 外部アプリを含む処理はShopify Flow側になる アプリ月額+設定工数
チャネル統合 メール・SMS・WhatsAppで足りる LINE等を含む横断的なCRM運用が必要 チャネルを増やすほど運用負荷が上がる アプリ月額+運用工数
レポートの粒度 開封・クリック・売上の把握で足りる シナリオ別・セグメント別の収益貢献を追いたい 測りたい粒度を先に決める アプリ月額
運用体制 担当者が兼務で月数回配信 専任がいる/配信が事業の主要導線 体制がないままアプリを増やすと形骸化する 人的コスト

送ったメールを届けるための設定

メルマガは、「送ること」と「届くこと」が別の話です。配信ツールで送信できていても、相手の受信トレイに届いているとは限りません。届くための設定を整えておくと、せっかく集めたリストの成果を活かしやすくなります。ここでは、届かないメールを減らす設定を、順に見ていきましょう。

「送信数」と「到達数」は別物

配信ツール上で「送信済み」と表示されても、受信側で迷惑メールと判定されると、読んでもらえないことがあります。送信数はツールから送り出した通数、到達数は受信者の受信トレイまで届いた通数のことです。

届くかどうかは、ドメイン側の設定と、受信者からの迷惑メール報告の積み重ねで決まります。前の章までの通数や料金の話とは別に、この設定も売上に関わる大切なポイントです。届かないメールが増えると、リストを集めた手間も配信の費用も、成果につながりにくくなってしまいます。

Gmailの要件は送信量に関係なく全員に適用される

2024年2月1日以降、Gmailアカウント宛にメールを送るすべての送信者が、Gmailの要件を満たすことになりました。大量に配信する事業者だけの話ではなく、少量の配信でも、Gmail宛に送るなら対象です。

要件には少し専門的な言葉が並びますが、ひとことで言うと、「送信元がきちんとした相手で、安全にやり取りできるメールだけを届けます」というルールです。全送信者に求められる内容を、順に見ていきましょう。

SPFまたはDKIMの設定
送信元が本物であることを証明する仕組みです。「このメールは、たしかにこのドメインから送られています」と、受け取る側に伝える役割があります。
送信ドメインとIPの正引き・逆引き(PTRレコード)
ドメイン名からIPアドレスをたどる「正引き」と、IPアドレスからドメイン名をたどる「逆引き」の、どちらでも同じ送信元に行き着けるようにしておく設定です。
TLS接続の使用
メールを送る途中の通信を、暗号化して守る仕組みです。
迷惑メール率を0.3%未満に保つ
受け取った人が「迷惑メール」と報告した割合のことです。Postmaster Toolsで確認できます。
メールの形式をRFC 5322に沿わせる
メールの書き方について、世界共通で決められている標準ルールに合わせることです。
From:ヘッダーでなりすましをしない
差出人欄に、自分のものではないアドレスを使わないことです。

Shopify Messagingのような配信ツールを使う場合、PTRレコードやTLS接続、メールの形式などは、多くの場合ツール側で整えられています。まずはSPF・DKIMの設定と、迷惑メール率の確認から意識すると、進めやすくなります。

要件 すべての送信者 1日5,000通を超える送信者 未対応時のリスク 確認方法
メール認証(SPF/DKIM) SPF または DKIM SPF かつ DKIM 迷惑メール判定・配信拒否 DNSレコードを確認
DMARC Gmailの要件としては対象外 設定が必要(ポリシーはnoneでも可) 同上 DNSレコードを確認
DMARCアライメント 要件外 From:ヘッダーのドメインがSPFまたはDKIMのドメインと一致 同上 DMARCレポート
DNSレコード(PTR) 正引き・逆引きの両方が有効であること 同左 同上 配信基盤側の設定
TLS接続 使用すること 同左 同上 配信基盤側の設定
迷惑メール率 0.3%未満 0.30%未満 迷惑メール分類の増加 Postmaster Tools
メール形式 RFC 5322準拠 同左 配信不良 配信基盤側の仕様
ワンクリック登録解除 要件外 マーケティング・購読メールで対応必須。本文にも解除リンクを表示 要件違反 メールヘッダーを確認

注1:Googleは、迷惑メール率を0.10%未満に保ち、0.30%以上には達しないようにすることを推奨しています(要件の「0.3%未満」とは別の数字です)。また、GmailのFrom:ヘッダーでのなりすましは、すべての送信者で禁止されています。

注2:ワンクリック登録解除の対象は、マーケティングメールと購読メールです。注文確認などのメールとは扱いが異なります。

注3:DMARCは、Gmailの要件としては1日5,000通を超える送信者が対象ですが、Shopifyからブランドドメインで送る場合は、送信量にかかわらず設定が必要です。

出典:Email sender guidelines – Gmail Help

1日5,000通を超える場合に増える要件

Gmail宛に1日5,000通を超えて送る場合は、全送信者の要件に加えて、次の3点が必要になります。

  • SPFとDKIMの両方に加えて、DMARCを設定する
  • From:ヘッダーのドメインを、SPFまたはDKIMのドメインと一致させる
  • マーケティングメールと購読メールで、ワンクリックでの登録解除に対応し、本文にも解除リンクを入れる

DMARCとは、認証に失敗したメールの扱いを受信側に伝える設定です。ポリシーはnoneでも問題ありません。

*参考 Email sender guidelines – Gmail Help

ドメイン認証をしないと送信元が書き換えられる

GmailとYahooは、ブランドのメールアドレスから送るメールに、ドメイン認証とDMARCの設定を求めています。対応していないと、送信元が「store+123@shopifyemail.com」のような形に書き換えられ、「via shopifyemail.com」とも表示されます。認証を済ませると、これらが外れて、届きやすさの改善にもつながります。

やることは、ドメインの管理場所によって変わります。

Shopifyで購入したドメイン
認証が自動で設定されます。
Cloudflare・GoDaddy・IONOSで管理しているドメイン
ShopifyがDNSレコードを自動で設定できます。
それ以外のドメイン
次の手順で、手動で設定します。
手動で設定する手順
  1. 「設定 > 通知」の送信元メールアドレスから、ドメイン認証を始める
  2. 表示された順に、CNAMEレコードをDNSへ登録する
  3. 反映されるまで待つ(最大48時間)

設定するときは、次の3点に気をつけましょう。

  • CNAMEがSPFも処理するため、SPFのTXTレコードは別に用意する必要はありません。
  • Shopifyからブランドドメインで送る場合は、送信量にかかわらずDMARCレコード(最低でも v=DMARC1; p=none)が必要です。「5,000通も送らないから大丈夫」とは考えず、あらかじめ設定しておきましょう。
  • DMARCレコードは、複数あると検証に失敗して、書き換えられてしまうため、1件だけにします。既存のものに adkim=s/aspf=s が入っていると認証が通らないことがあるため、削除するか、adkim=r/aspf=r に変えましょう。

*参考 Setting up your email
*参考 Displaying your store’s sending email
*参考 Setting up your email

到達状況はPostmaster Toolsの迷惑メール率で確認する

Gmail宛の到達状況は、Postmaster Toolsでチェックしましょう。Googleが提供している送信者向けのツールで、迷惑メール率を確認できます。

Googleは、迷惑メール率を0.10%未満に保ち、0.30%以上には決して達しないようにすることを推奨しています。先ほどの要件の「0.3%未満」と、ここでの推奨の「0.10%未満」は別の数字なので、区別しておくと安心です。迷惑メール率が低い状態を保っておけば、一時的に報告が増えても、耐性が高くなります。

あわせて意識したいのが、リストの質です。購入したリストで購読者を増やさないこと、反応のない購読者を整理することが、結果として届きやすさを守る近道になります。

*参考 Email sender guidelines – Gmail Help

開封率と到達率を混同しない

開封率は、メルマガの成果を見るときによく使われる指標ですが、数字の見方には少しコツがあります。Googleは開封率を追跡しておらず、第三者が報告する開封率の正確さも検証できないとしています。そのため、開封率が低くても、届きにくさや迷惑メール判定が原因とは限りません。

また、Appleの「メールプライバシー保護」をオンにしている受信者については、開封したかどうかを送信者が確認できません。リモートコンテンツも、受信者の操作にかかわらず、既定でバックグラウンドで読み込まれます。

こうした事情から、他社の開封率の平均と比べても、あまり参考にならないことがあります。自社の過去の配信との比較に加えて、迷惑メール率・クリック・売上もあわせて見ていきましょう。

*参考 Email sender guidelines – Gmail Help
*参考 iPhoneでメールプライバシー保護を使用する – Apple サポート (日本)
*参考 Legal – メールプライバシー保護とプライバシー- Apple

メルマガ配信で守るべき法令

メルマガのような広告宣伝メールは、「特定電子メール法」という法律で規制されており、送り方を誤ると法令違反になるおそれもあります。この章では、同意の取り方や表示事項などの要件と、Shopifyでの対応をお伝えします。個別のケースの判断は、念のため専門家にご相談ください。

原則はオプトイン。送信できる相手は法律で4つに限られる

メルマガのような、広告や宣伝を行なうための手段として送るメールは、「特定電子メール」に該当します。このメールは、原則として、あらかじめ同意を得た相手にしか送れません(オプトイン)。法第3条第1項では、送ってよい相手を、次の4つに分けて定めています。

第一号
あらかじめ、送信を求める旨または同意する旨を通知した人
第二号
総務省令・内閣府令の定めにより、自分のメールアドレスを送信者などに通知した人
第三号
その広告・宣伝にかかる営業を営む者と、取引関係にある人
第四号
総務省令・内閣府令の定めにより、自分のメールアドレスを公表している団体や、営業を営む個人

このうち、第一号と第二号は、相手の意思表示にもとづく類型です。一方、第三号と第四号は、事前の同意がなくても送れる類型で、見出しの「例外」はこの2つを指します。

ECで関わりが深いのは、この第三号と第四号です。とくに、自社ストアで購入したお客様は、第三号の「取引関係にある人」にあたる場合があるため、最初に確認しておきたいポイントです。ただ、実際にあたるかどうかは個別の事情によるため、同意の取得もあわせて設計しておくと安心です。

*参考 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成14年法律第26号)

同意を証する記録の保存義務がある

第一号の通知を受けた相手については、送信を求められたこと、または同意があったことを証明する記録を残しておく義務があります(法第3条第2項)。購読者を集めるときは、いつ・どの画面で・どの文言に同意してもらったかを残せる形にしておきましょう。

なお、既定でオンになっているオプトインフォームでの自動登録は、Googleも避けるよう求めています。国や地域によっては、自動オプトインが制限されていることもあるため、あわせて気をつけておくと安心です。

*参考 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成14年法律第26号)
*参考 Email sender guidelines – Gmail Help

配信停止の求めには従わなければならない

お客様から「送らないでほしい」と伝えられたときは、その意思に反してメールを送ってはいけません。法第3条第3項では、次のように定められています。

送信しないよう求める通知を受けたときは、その意思に反して送信してはならない。
(法第3条第3項より)

ただし、同じ項には、例外にあたる場合も定められています。

受信者の意思に基づき広告・宣伝以外を主たる目的として送信されるメールにおいて広告・宣伝が付随的に行なわれる場合等、総務省令・内閣府令で定める場合は、この限りでない。
(法第3条第3項ただし書きより)

メールの主な目的が広告ではなく、広告がおまけとして添えられているだけなら、例外になることがある、という意味です。たとえば、注文確認メールの終わりに、おすすめ商品を少し添える程度なら、これにあたります。一方で、販促が中心のメールは、例外になりません。

どこまでが「おまけ」にあたるかは判断が難しいため、配信停止を求めた相手に販促つきのメールを送る運用を考えているときは、事前に専門家へ相談しておくと安心です。

また、配信停止の処理漏れは、違反につながるおそれがあります。手作業ではなく、ツール側で自動的に反映される仕組みにしておきましょう。

*参考 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成14年法律第26号)

メールに表示しなければならない事項

法第4条では、メールに次の3つを表示することが定められています。

第一号
送信者の氏名または名称(送信委託者がいる場合は、送信に責任を持つ者)
第二号
受信拒否の通知を受けるためのメールアドレス、または省令で定める符号
第三号
そのほか省令で定める事項

第三号があるため、表示事項は法律の本文だけでは決まりません。総務省の説明では、苦情や問い合わせの受付先なども含まれるとされています。実際に載せる項目は、施行規則もあわせて確認しておきましょう。なお、送信者情報を偽って送ることは、法第5条で禁止されています。

*参考 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成14年法律第26号)

確認項目 内容 根拠条文 Shopifyでの実装 チェック
事前同意の取得 送信を求める旨または同意する旨を通知した者に送信する 法第3条第1項第一号 購読フォーム/チェックアウトのマーケティング同意 □
アドレスを通知した者 省令で定めるところにより自己のアドレスを送信者等に通知した者 法第3条第1項第二号 購読導線の記録を残す □
取引関係にある者 当該広告・宣伝に係る営業を営む者と取引関係にある者は例外にあたる 法第3条第1項第三号 購入者への配信で関係する。該当性は個別判断 □
公表アドレス宛の例外 公表している団体・営業を営む個人は例外。ただし送信拒否の表示がある場合は例外にならない 法第3条第1項第四号/ガイドライン BtoB一斉配信の前に対象リストを確認 □
同意記録の保存 求めがあったこと又は同意があったことを証する記録を保存する 法第3条第2項 顧客のマーケティング同意状態・取得日時を保持 □
配信停止への対応 送信しないよう求める通知を受けた相手に、その意思に反して送信しない 法第3条第3項 配信停止が購読状態へ自動反映される運用にする □
ただし書きの確認 広告・宣伝以外を主目的とするメールに広告が付随する場合等は、省令で定める場合に限り上記の限りでない 法第3条第3項ただし書き 注文確認・発送通知に販促を載せる運用で確認 □
送信者の表示 送信者(責任を有する者)の氏名又は名称を表示する 法第4条第一号 メールフッターに会社名を記載 □
受信拒否の通知先の表示 受信拒否の通知を受けるためのメールアドレス又は省令で定める符号を表示する 法第4条第二号 配信停止リンクをフッターに設置 □
その他の表示事項 総務省令・内閣府令で定める事項。施行規則の確認が必要 法第4条第三号 施行規則にあわせてフッターを設計 □
送信者情報を偽らない 送信に用いたメールアドレス等を偽って送信しない 法第5条 送信元ドメインを認証して正規のFromで送信 □

公表アドレス宛の例外と、例外が効かない場合

ホームページなどにメールアドレスを載せている団体や個人事業主には、同意がなくても広告メールを送れます(法第3条第1項第四号)。法人向け(BtoB)の営業で関わるルールです。

ただし、アドレスの近くに「営業メールはお断りします」など、送信を拒否する旨があるときは、例外になりません(ガイドライン)。一斉送信の前に、そうした表示がないかを確認しておきましょう。

*参考 特定電子メールの送信等 に関するガイドライン |消費者庁

成果につながる運用設計

設定が整ったら、次は運用です。配信頻度・顧客セグメント・指標の3点を決めておくと、メルマガを無理なく続けやすくなります。あわせて、リストの質を保つ考え方も紹介します。

配信頻度と配信タイミングの決め方

配信頻度は、次の2つを目安に決めましょう。

  • 月間の送信通数が、無料枠の10,000通に収まっているか
  • 配信停止率が上がっていないか

また、送信は一定のペースを保ち、急に量を増やさないようにすると安心です。急な増加は「バースト」と呼ばれ、避けたほうが届きやすさを保ちやすくなります。

*参考 Email sender guidelines – Gmail Help

顧客セグメントの切り方

顧客セグメントとは、購入履歴などで分けたお客様のグループのことです。切り口の一例は、次の3つです。

  • 購入回数(未購入・初回・リピーター)
  • 最終購入日
  • 購入カテゴリ

全員に同じ内容を送るよりも、対象を絞ったほうが通数を抑えられ、無料枠にも収まりやすくなります。顧客セグメント機能でつくったセグメントは、そのまま配信先に指定できます。

*参考 Shopify Messaging – Email, SMS, and WhatsApp marketing made for commerce

効果測定で見るべき指標

見る順番の目安は、売上>クリック>配信停止率>開封率の順です。メルマガは購入につなげる施策なので、まずは売上とクリックで効果を確かめましょう。

配信停止率は、リストの質を保てているかを見る目安になります。開封率は、先ほどお伝えしたとおり計測に制約があるため、これだけで判断しないようにするのがおすすめです。他社の平均ではなく、自社の過去の配信と比べて見ていきましょう。

リストの質を保つ

メルマガの成果を保つには、リストの質も大切です。反応のない購読者を放置すると、迷惑メールの報告が増えて、届きやすさが下がることがあります。定期的に購読者を見直しておきましょう。

また、メールアドレスを購入したり、登録していない相手に送ったりすることは、Googleのガイドラインでも避けるよう示されています。

*参考 Email sender guidelines – Gmail Help

まとめ

標準のShopify Messagingで、メルマガは配信できます。無料枠は毎月10,000通で、その月に送る全キャンペーンで共有され、翌月への繰り越しはできません。

また、送れることと届くことは別なので、ドメイン認証とDMARCもあわせて設定しておきましょう。広告宣伝のメールは特定電子メール法の対象になるため、同意取得・記録保存・配信停止の反映・表示義務の4点も、運用に組み込んでおくと安心です。

ストアの構築や運営とあわせて設計したいときは、asnaro(アスナロ)でもShopifyの構築とEC運営の代行のご相談を受け付けています。お気軽にご相談ください。

Shopify メルマガに関してよくある質問

Q. Shopifyの標準機能だけでメルマガは送れますか?

A. 送れます。追加アプリは必須ではなく、Basic・Grow・Advanced・Shopify Plusの各プランで使えます。

Q. 無料枠を超えると課金されますか?

A. 超えた分は従量課金になり、前月分が「マーケティングメール」としてShopifyの請求に加算されます。費用が0.005米ドルに達するまでは、請求されません。

Q. 無料枠は翌月に持ち越せますか?

A. 持ち越せません。未使用分は、翌月に繰り越されない仕組みです。

Q. 独自ドメインから送るには何を設定しますか?

A. ドメイン認証のCNAMEレコードと、DMARCレコードの両方を設定します。対応しないと、送信元が「store+123@shopifyemail.com」に書き換えられます。SPFはCNAMEで処理されるため、別にTXTレコードを設定する必要はありません。

Q. 配信停止リンクは必ず入れるべきですか?

A. 特定電子メール法の第4条で、受信拒否の通知先(リンクまたはメールアドレス)の表示が義務づけられています。加えて、Gmail宛に1日5,000通を超えて送る場合は、マーケティングメールと購読メールを、ワンクリックで登録解除できるようにします。この要件の対象はマーケティング・購読メールで、注文確認などとは扱いが異なります。