ECサイトの構築方法|種類やメリット・デメリットを解説
ECサイトを立ち上げるには、いくつかの構築方法があります。ECサイトをつくる際は、その構築方法の中から、予算や機能、サイトのイメージに合わせて選択することが重要です。
本記事では、これからECサイトを立ち上げようとしている方に向けて、構築方法の種類と選び方、立ち上げの手順、公開後にやるべきことまでを解説します。あわせて、よくある失敗例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ECサイトの立ち上げ前に決めておくこと
ECサイトの構築方法を選ぶ前に、まず事業としての方向性を固めておく必要があります。ここが曖昧なまま構築を進めると、途中で仕様変更が発生したり、公開後に成果が出なかったりする原因になります。
商品選定
どの商品をECで販売するかを決めます。既存の商品をそのままオンラインに載せるのか、EC専用の商品を用意するのかによって、必要な機能や運用体制が変わります。
ニーズ調査
その商品にオンライン上の需要があるかを調べます。検索数や競合の出品状況を確認し、ニーズがない商品を扱ってしまう事態を避けましょう。
目標設定
いつまでにいくらの売上を目指すのかを決めます。目標の規模によって、選ぶべき構築方法も変わります。
制作方法の選定
ここまでの3点が固まったら、構築方法を選びます。次章以降で、モール型と自社EC型の違い、自社EC型の4つの構築方法について解説します。
ECサイトの構築方法
ECサイトの構築方法は、大きくわけてモール型と自社EC型があります。それぞれの概要やメリット・デメリットをご紹介します。
モール型
概要
モール型とは、一つのWebサイトに複数のショップが商品を販売している形態のことを指します。代表的なモール型のECサイトは「Amazon」や「楽天市場」などです。モール型では、本や家電、食品まで幅広い商品を一つのサイトで購入できます。
多種多様な商品を一つのサイトで見つけることができ、比較検討や一括購入ができる点は消費者にとって大きなメリットといえるでしょう。
メリット
モール型のメリットはその集客力です。モール自体に集客力やブランド力があるため、その顧客基盤を利用して、新規顧客を獲得することが可能となります。
また、モール型ECサイトでは既存のプラットフォームを利用してECサイトを構築することから、構築のための手間や時間を大幅に削減できるというメリットもあります。
デメリット
モール型ECサイトでは、販売した商品に手数料が発生するというデメリットがあります。手数料は売上に直接影響することから、利益率が下がってしまう可能性があります。
また、もう一つのデメリットとして、自由度が制限される点が挙げられます。モールが提供しているテンプレートを利用してECサイトを構築するため、他店との差別化が図りにくく、競争力が低下する可能性が考えられます。
自社EC型
概要
自社ECとは、自社でECサイトを立ち上げることです。自社のブランドや商品を直接ユーザーに提供することが可能で、自社のビジネスモデルに合わせたサイト設計ができます。
自社ECでは、商品の品質管理や管理設定、販売戦略などを自社で設定できます。また、消費者と直接コミュニケーションがとれることから、消費者のニーズを把握しやすく、商品開発やサービス改善にいかすことができ、消費者との関係を深めることが可能です。
メリット
自社ECのメリットは、サイトのデザインや機能を自由に設定できる点です。これにより、ブランドイメージに合わせたサイト設計が可能となります。
独自性あふれるECサイトを構築できることから、ブランドイメージの強化やブランドロイヤルティの向上が期待できます。
デメリット
自社ECのデメリットとして集客を自社で行わなければならない点が挙げられます。これには、広告運用やSNSマーケティングなど、さまざまな手法を駆使して行なう必要があります。
また、システムの構築から運営、集客まで自社で行なうことから、ECサイト成功までに時間がかかる点もデメリットとして挙げられます。
自社EC型の構築方法の種類
自社EC型の構築方法には、以下の4つがあります。
- ショッピングASP型
- パッケージ型
- フルスクラッチ型
- オープンソース型
それぞれ費用もカスタマイズの自由度も異なるため、一つずつ解説していきます。なお、以下で紹介する費用はあくまで相場の目安であり、実際の金額は依頼先や要件によって変動します。
ショッピングASP型
概要
ショッピングASP型は、ECサイト構築に必要なシステムを提供するASP(Application Service Provider)のサービスを利用して、サイトを構築する方法です。ショッピングカート機能や決済機能など、ECサイトに必要な基本的な機能がパッケージ化されて提供されます。
事業者のサーバー環境下でECサイトを開設するため、自社でサーバーを用意する必要がありません。ECの経験やスキルが少ない担当者でも、比較的容易にサイトの制作と管理が可能です。
主なサービスには以下のものがあります。
- BASE
- STORES
- MakeShop
- Shopify
メリット
ショッピングASP型のメリットとして、コストが大幅に抑えられる点が挙げられます。これは、自社でシステムを構築する必要がないことから、初期費用を抑えられるためです。無料で始められるサービスもあり、ほかの構築方法に比べて初期費用もランニングコストも少額で済みます。
また、ASPがシステムの更新やセキュリティ管理を行なうため、システム運用に関わるコストも削減できます。デザインや導線の設定も、管理画面上の操作で完結するものがほとんどです。
デメリット
ショッピングASP型は、ASPが提供するパッケージを利用することから、カスタマイズ性が低いというデメリットがあります。あらかじめ用意されたプラットフォームを使うため、基本的にサイトへ独自性を出すことが難しくなります(有料プランであれば一定のカスタマイズに対応しているサービスもあります)。
また、ASPのサービス内容が変更された場合に、それに対応するための追加のコストや時間が発生する場合もデメリットとして考えられます。
パッケージ型
概要
パッケージ型とは、ECサイト構築に必要なシステムを一つにまとめたパッケージを利用してECサイトを構築する方法です。サービスを提供する企業がニーズに合わせて個別にパッケージを開発することから、自社のイメージに合わせたECサイトを構築できます。
ショッピングASP型と似ていますが、パッケージ型は自社でサーバーを用意するため、カスタマイズの自由度が高い点が異なります。
主なサービスには以下のものがあります。
- Orange EC
- ecbeing
- えびすマート
この構築方法は、ある程度の規模を見込める場合に向いています。運営していくECサイトのイメージを明確にし、サービス提供企業に適切に伝えることで、自社に必要な機能が備わった理想的なECサイトを構築できるでしょう。
メリット
パッケージ型のメリットは、カスタマイズ性が高いことです。提供されるパッケージの範囲内であれば、自由にデザインや機能のカスタマイズができます。
また、パッケージ型のECサイトのソフトウェアは専門家によって開発・管理されていることから、セキュリティ対策が適切に施されています。そのため、安心感をもってECサイトを運営できるでしょう。
デメリット
パッケージ型のデメリットとして、パッケージを導入するためのコストが高い点が挙げられます。パッケージにはECサイト運営に必要な機能が一通り揃っていることから、その分の導入コストは高くなります。加えて、サーバーの契約費用やシステムの保守管理費用も発生します。
また、システムの管理には、ある程度の知識を持つ人材を確保する必要があります。ショッピングASP型より運営の自由度が高くなるぶん、立ち上げに必要なことも増える点は押さえておきましょう。
なお、最近ではサーバー費用や保守管理などのコストを抑えられるクラウド型のパッケージも提供されています。導入コストがネックになる場合は、こうした選択肢も検討するとよいでしょう。
フルスクラッチ型
概要
フルスクラッチ型とは、既存のシステムやパッケージを使用せず、新規にシステムやサイトを開発する方法です。この方法では、すべてがゼロから構築されるため、自由度が非常に高く、完全にオリジナルなECサイトを制作できます。
制作の進め方には、自社で必要な人材を確保して開発する方法と、制作会社に委託する方法の2つがあります。いずれの場合も、開発には時間とコストがかかります。
独自性の高いECサイトを制作できることから、競合他社と差別化を図れ、競争力の強化につなげられる可能性があります。
メリット
フルスクラッチ型は、ECサイトをゼロから構築することから、技術的に可能であれば、どんな要件にも対応できるサイトを構築できます。
加えて、拡張性も高いので、利用したいツールと自由に連携が可能です。そのため、社内の基幹システムや販売管理システムと連携し、ECサイト運営の効率化を図ることが可能となります。
また、ユーザビリティ向上のための改善を素早く繰り返せる点も利点です。ASPやパッケージでは対応が難しい、あるいは手間がかかる変更も、思い通りに進められます。
デメリット
フルスクラッチ型は、ECサイトを構築するのにかかる費用が高くなるというデメリットがあります。ゼロベースでつくり上げていくため、ほかの構築方法よりコストが膨らみます。
また、構築期間が長期に及ぶ点にも注意が必要です。社内で制作する場合は、サイト制作だけでなく、商品管理・在庫管理・物流システムとの連携に関する専門知識を持つ人材を確保しなければなりません。
オープンソース型
概要
オープンソース型は、一般に公開されているプログラムを、自社で保有またはレンタル契約しているサーバーにアップロードしてサイトを制作する方法です。
主なオープンソースには以下のものがあります。
- EC-CUBE
- Magento
- WordPress(WooCommerceなどを利用)
メリット
インターネット上に公開されているプログラムを使うため、ライセンス費用がかからず、初期費用を抑えられます。また、ビジュアルや導線を自由にカスタマイズできる点も特徴です。
フルスクラッチ型ほどの費用をかけずに、一定の独自性を持たせたいという場合に選択肢となります。
デメリット
フルスクラッチ型と同様、サイト制作や商品管理、在庫管理、物流システムとの連携に関する専門知識を持つ人材を確保しなければ、思い通りにECサイトを運営できない可能性があります。
運用管理を制作会社に委託する選択肢もありますが、効率的な運用が難しくなったり、関わる人数が増えることでセキュリティの管理が煩雑になったり、ランニングコストが膨らんだりする点はデメリットとして挙げられます。
また、脆弱性の情報が公開されている性質上、セキュリティ対策やバージョン管理を自社で継続的に行なう必要があります。
ECサイトの構築方法の選び方
構築方法を選ぶ際は、以下の4点を基準に判断します。
- 事業規模:想定する売上規模や受注件数、必要な機能によって適した方法が変わります
- 予算:初期費用だけでなく、月額費用と保守コストを含めて比較します
- カスタマイズの必要性:独自の機能やデザインがどこまで必要かを整理します
- 社内の体制:システムを管理できる人材が社内にいるかどうかで選択肢が変わります
4つの構築方法を、費用・カスタマイズ性・事業規模・制作期間で比較すると次のとおりです。
| 導入費用 | 月額費用 | 独自 カスタマイズ |
事業規模 | 制作期間 | |
|---|---|---|---|---|---|
| ショッピングASP | 0円~数万円 | 0円~数万円 | 基本不可 | 一億円未満 | 短期間 |
| ECパッケージ | 数万円~数十万円 | 数万円~数十万円 | 可 | 一億円~ | 短期間~長期間 |
| フルスクラッチ | 数百万円~数千万円 | 数十万円~数百万円 | 可 | 数十億円~ | 長期間 |
| オープンソース | 数十万円~数百万円 | 数万円~数十万円 | 可 | 数億円~ | 長期間 |
初めてECサイトを立ち上げる場合や、まずは小さく始めたい場合はショッピングASP型が有力な選択肢になります。一方、既存の基幹システムとの連携や独自の販売フローが必要な場合は、パッケージ型やフルスクラッチ型を検討することになります。
迷った場合は、現在の事業規模だけでなく、3年後の想定規模で判断することをおすすめします。構築方法の変更には移行コストがかかるためです。
ECサイト構築の手順・進め方
ECサイト構築を適切に進めることで、効率的にECサイトを立ち上げることができます。ここからは、ECサイト構築の進め方について解説します。
コンセプト定義
ECサイトのコンセプト定義は、サイトを何のために作るのか、どんなサイトを作るか、どのような価値を提供するかを明確にするものです。コンセプト定義は、ECサイト構築の目的を明確にし、中長期的な目標、将来的な長期目標を設定しましょう。
コンセプト定義を怠ると、ニーズとは合わないECサイトになってしまう可能性があります。そのため、ECサイトのコンセプトを明確に定義し、それを基にサイトの設計を進めていくことが重要です。
要件定義
構築するECサイトのコンセプトを明確にしたら、サイトを構築するため必要な要素や機能を明確にし、選定を行ないます。予算計画やスケジュールをもとに、ECサイト構築に求める要件を定義します。
要件定義を適切に行なうためには、注文管理や在庫管理、顧客サービスといった実際の業務を具体的にイメージすることが大切です。そうすることで、サイトの機能が実際の運用と合致し、要件に合った運営が可能となります。
ECプラットフォーム選定
ECサイトのプラットフォームを選択するうえで適切なプラットフォームを選定することは非常に重要です。ECサイトの規模や事業内容によって、必要な機能やスペックは異なります。
例えば、小規模なECサイトであれば、ASP型のプラットフォームが向いています。大規模なECサイトを構築するのであれば、オープンソースやフルスクラッチを検討すると良いでしょう。
プラットフォームの選択には、費用を考慮することも重要です。予算計画に合わせて適切なプラットフォームを選択するようにしましょう。
決済種別の選定
プラットフォームを選定したら、決済種別を選定しましょう。決済種別は、適切に選定できていないと、多くユーザーがサイトを離脱する原因となります。決済手段が豊富であることは、買い物かごに入れた状態で離脱する「かご落ち」も防ぐことができます。
そのため、自社で販売する商品やターゲット層との相性を考慮して適切な決済種別を選定することが重要です。
サイトデザイン制作
決済種別を選定したら、サイトデザインを制作していきます。サイトデザインはユーザーが商品を購入するまでの流れをスムーズにするために制作する必要があります。そのため、見た目だけではなく、利便性の高いサイトを目指すことが重要なポイントです。
サイトデザインが上手くできていないと、情報が見つけにくく、使い勝手が悪いサイトになってしまい、ユーザーがサイトから離れる原因となります。そのような事態を避けるためにも、サイトをデザインする際には、ユーザーの視点にたって制作することが大切です。
商品登録・諸設定
ECサイトの商品登録は、商品名や販売価格、在庫数などを登録していく工程です。これらの情報は、商品の画像や説明文のデータを事前に準備し、CSVデータなどを用いて一括で登録することで、効率的に作業を進めることが可能です。
商品登録にミスがあると、ユーザーに間違った情報を伝える結果となり、クレームやトラブルの原因となる可能性があるため、注意深く行なうことが重要です。
さらに、管理画面の各種設定は、使用しているECサイトのプラットフォームにより、設定方法が異なる場合があります。そのため、サポート体制が充実している構築方法を選ぶことで、設定作業に迷うことなく、スムーズに業務を進めることができるでしょう。
テスト注文
商品登録や諸設定が完了したら、テスト注文を行ないましょう。テスト注文を行なうことで、システムのバグやエラーの発見、顧客体験の改善、注文プロセスの効率化などが可能となります。
これまでに登録した情報を使用して、購入がスムーズに行なえるか、受注、決済、配送などのデータ処理が適切に行われているか、そしてスタッフ間の連携が円滑に行われているかを、テスト注文を通じて確認しましょう。
オープン
テスト注文が正常に行われているのを確認したら、ECサイトをオープンしましょう。ECサイトをオープンしても、認知度が低く集客につながらない可能性があるため、オープン前にメールやSNSを活用して、ECサイトのオープンを広く認知してもらうことが大切です。
オープン後には、トラブルが発生する場合もあるので、迅速に対処できるように、社内マニュアルを作成しておきましょう。
ECサイトを公開した後にやること
ECサイトは公開して終わりではありません。集客の導線を用意しなければ、そもそも見てもらえないためです。ここでは、公開後に取り組むべき3つの施策を紹介します。
SEO
検索エンジンからの流入を増やす施策です。商品名や商品説明文に、購入者が検索するであろうキーワードを適切に含めることが基本になります。あわせて、商品カテゴリの構造やページの表示速度も検索順位に影響します。
成果が出るまでに時間はかかりますが、広告費をかけずに継続的な流入を得られる点が利点です。
Web広告
検索連動型広告やディスプレイ広告を使って、短期間で流入を確保する方法です。SEOと違って出稿すればすぐに露出できるため、セール時期や新商品の投入時に有効です。
ただし出稿を止めると流入も止まるため、SEOと組み合わせて運用するのが一般的です。
SNS
InstagramやXなどを使って、商品やブランドの認知を広げる施策です。購入前の検討段階にいるユーザーとの接点をつくれるほか、既存顧客との関係維持にも役立ちます。
商材との相性が大きいため、自社の商品がどのSNSと相性がよいかを見極めてから注力しましょう。
ECサイト運営でよくある失敗例
ECサイトを立ち上げても、思うように成果が出ないケースは少なくありません。事前に典型的な失敗例を知っておくことで、同じ轍を避けられます。
取り扱う商品にニーズがない
そもそもオンライン上に需要がない商品を扱ってしまうケースです。サイトの見た目や機能をどれだけ整えても、需要がなければ売上にはつながりません。立ち上げ前のニーズ調査を省略しないことが重要です。
短期施策に終始してしまう
広告やセールといった即効性のある施策だけを繰り返し、SEOやリピーター育成といった中長期の取り組みが後回しになるケースです。短期施策は出稿を止めた時点で流入が途絶えるため、並行して土台をつくる必要があります。
外部に丸投げしてしまう
制作会社やコンサルタントに任せきりにして、社内に運営のノウハウが蓄積されないケースです。委託自体は有効な手段ですが、施策の意図や数値の見方を共有してもらい、判断は自社で行なえる状態を保ちましょう。
まとめ
ECサイトの立ち上げは、構築方法の選定から始まります。モール型と自社EC型の違いを理解したうえで、自社EC型であればショッピングASP型・パッケージ型・フルスクラッチ型・オープンソース型の4つから選ぶことになります。
選ぶ基準は、事業規模・予算・カスタマイズの必要性・社内体制の4点です。現在の規模だけでなく、数年後の想定も踏まえて判断しましょう。
また、サイトは公開してからが本番です。SEO・広告・SNSといった集客施策を用意し、ニーズ調査を怠らないことが、立ち上げを成功させるポイントになります。
【参考情報】
ECサイトを立ち上げる手順を7つのステップで解説!構築方法5選と注意点を4つ紹介|FORCE-R 株式会社
ECサイトの作り方とは?構築方法や費用について解説|フレシット株式会社
ECサイトの構築方法に関してよくある質問
Q1. 初心者におすすめのECサイト構築方法はどれですか?
初心者には「ASP型(BASE、STORES、Shopifyなど)」が最もおすすめです。理由は、専門知識が不要で直感的に操作でき、初期費用0円〜数万円で始められ、サーバー管理やセキュリティ対策をサービス側が代行してくれるためです。ドラッグ&ドロップで編集できるノーコード仕様のため、HTML・CSSの知識がなくても公開できます。商品が10〜100種類程度、月間注文数が数十件レベルであればASP型で十分対応可能です。ただし、独自性の高いデザインや外部システム連携などを実装する場合はノーコードの限界があり、開発が必要になるケースもあります。本格的な集客や独自性を求めるフェーズに入ったら、Shopifyの本格カスタマイズやECパッケージへの移行を検討するとよいでしょう。
Q2. 自社EC型とモール型、どちらを選ぶべきですか?
自社EC型は「ブランディング重視・利益率重視」、モール型は「即効性の集客重視・運営の手軽さ重視」の特徴があります。自社ECは独自ドメインで運営しブランド価値を蓄積でき、利益率も高い反面、集客は自力で行う必要があります。モール型(楽天・Amazon・Yahoo!)は既存の集客力を活用できる代わりに、手数料体系がモールごとに異なります(楽天はシステム利用料2〜7%+月額固定費+広告等で実質10〜15%、Amazonはカテゴリ別8〜15%、Yahoo!ショッピングは2026年9月から月額システム利用料10,000円(税別)と売上ロイヤリティ2.5%が新設)。また価格競争に巻き込まれやすい傾向があります。多くのEC事業者は、自社EC+モール型の併用戦略を採用しており、それぞれの強みを活かしています。
Q3. BtoB ECサイトに適した構築方法は何ですか?
BtoB ECは取引先別の価格設定・与信管理・締め支払い決済など、BtoCとは異なる機能が必須です。そのため、ASP型ではShopifyの全有料プラン(2026年4月以降、BtoB機能が基本プランから利用可能。高度機能はPlus限定)、ECパッケージではBcart・aishipBIZ・ecbeingなど、BtoB対応特化のプラットフォームがおすすめです。中〜大規模で独自要件が多い場合は、フルスクラッチでの開発も視野に入ります。重要なのは「既存の基幹システム(ERP・在庫管理・会計)との連携」「取引先ごとの権限管理」「請求書発行・締め日対応」など、BtoB特有の機能を網羅できるかどうかです。
Q4. ECサイトの立ち上げにはどれくらいの期間がかかりますか?
立ち上げ期間は構築方法と準備状況によって異なります。BASEやSTORESなどのASPなら最短当日〜1週間、Shopifyの本格構築なら1〜2ヶ月、ECパッケージで3〜6ヶ月、フルスクラッチでは6ヶ月〜1年以上が一般的です。期間が長くなる主な要因は「コンセプト設計の遅れ」「商品撮影・コンテンツ準備の不足」「決済システムや物流体制の調整」です。スケジュール短縮には、立ち上げ前に商品ラインナップ、ターゲット、デザインイメージを固めておくことが重要です。
Q5. AIを活用したECサイト構築はできますか?
2026年現在、AIを活用したECサイト構築が急速に普及しています。Shopify Sidekickのように、AIが商品説明文・SEO設定・データ分析・ストア構築支援などを行う機能が標準搭載されつつあります。在庫予測やカスタマーサポート自動化は、別途専用アプリ(Shopify Inboxなど)と組み合わせることで実現可能です。また、ChatGPT等の生成AIで商品ページの原稿作成、Canva・Adobe Firefly・Photoroom等で商品画像の背景生成や加工が可能です。これらを組み合わせれば、コンテンツ制作コストを大幅に削減できます。ただし、AIの出力は最終的に人間がチェック・修正することが重要で、丸投げではなく「人×AI」の協業が成果を生みます。
Q6. 構築方法は後から変更できますか?
構築方法の変更は可能ですが、データ移行に伴う作業負荷とコストが発生します。ASP同士の移行(例:BASE→Shopify)は商品データのCSVエクスポート・インポートで比較的スムーズです。ASP→ECパッケージ、ASP→フルスクラッチへの移行は、デザイン再構築・システム再開発が必要なため、新規構築に近いコストがかかります。顧客データや受注履歴の移行可否、SEO評価の引き継ぎ(リダイレクト設定)も重要なポイントです。将来的な拡張性を見越して、最初から少し余裕のある構築方法を選ぶのが理想です。
Q7. ECサイトの立ち上げに必要な許認可(特定商取引法等)は何ですか?
ECサイト運営に必要な許認可・表示は商材によって異なります。基本的に必要なのは「特定商取引法に基づく表示」(事業者名、住所、連絡先、返品条件などの記載義務)と「プライバシーポリシー」です。商材別では、酒類は「通信販売酒類小売業免許」、医薬品は「医薬品販売業許可」、化粧品は自社ブランドや輸入販売を行う場合に「化粧品製造販売業許可」(仕入販売のみであれば原則不要)、中古品は「古物商許可」、食品は内容に応じて「食品衛生法に基づく営業許可または営業届出」が必要です。これらを怠ると行政処分や罰則の対象になるため、開業前に必ず確認しましょう。
Q8. ECサイト立ち上げ後に売上が出ない場合はどうすればよいですか?
立ち上げ後すぐに売上が出ないのは一般的なため、慌てず原因分析が必要です。確認すべき主要ポイントは「サイト訪問者数(流入不足)」「CVR(サイト改善必要)」「カート落ち率(決済導線の問題)」「商品単価と利益率」の4点です。流入不足の場合はWeb広告・SNS強化、CVRが低い場合は商品ページや購入導線の改善、カート落ちが多い場合は決済方法の追加・送料表示の見直しが効果的です。それでも改善しない場合は、ECコンサルタントへの相談も視野に入れましょう。








