【事例紹介】パーパスを明確にして業績拡大!

  • 最終更新日:2022.09.02

こんにちは、hakutsuです。

今回は事例紹介として、インナーブランディングの整備によって結果的に業績拡大へと結びついたケースをお届けいたします。

課題と背景

非常に高学歴で優秀な経営者が自力で作り上げたプロダクトを持つ某テック系企業。最初はたったひとりの船出でしたが、やがてひとり、ふたりと仲間が増え、プロダクトも洗練されていきます。あわせてサービスも世の中に出して恥ずかしくないクオリティにまで成長。ユーザー数もぐんぐん伸びているのですが…なぜか経営者は浮かぬ顔でした。

それは、社員が50名を超えたあたりから。どうも経営者は最初に会社を立ち上げた想いや視点が薄くなりつつあるように感じていたようです。そこで相談を受けた私は、経営理念のようなものがあるかどうかを確認。すると、あるにはあるが、それがどうしたんですか?という反応。

経営トップ自らがMVVの意義や意味を理解されていなかったのでした。

まずはプロジェクト化

はじめにわたしから、社員のマインドやまなざしをひとつの方向に揃えるのであればインナーブランディングが必要である、というプレゼンテーションをいたしました。そして形としてはミッション・ポジション・行動指針の3つを言語化しましょう、と提案。もともとあった経営理念はトップの願いがこもっていたので、一旦ビジョンとして据え置くことに。

ミッションと行動指針づくりには社内にプロジェクトチームをつくる必要がありました。そこでキャスティングはお任せした上でPJTを組閣。まず社員のES調査とフリーアンケートから満たされているものはなにか、足りていないものはなにかを分布図にまとめました。そこから「仲間」「顧客」「社会」「仕事」「成長」などのキーワードを抽出し、それぞれの意見を分類。何を言うべきかを整理しました。

ある程度言葉の骨格が見えてきたところで役員会議を実施。そこで大枠の方向性を議論し、ミッションのあるべき姿、行動指針の使われ方といった踏み込んだ内容まで煮詰めることにしました。

最後はトップの視座の高さ

そうして半年かけてミッション、ビジョン、行動指針が完成したのが年末。わたしも重い荷物を降ろして、ゆっくり年末年始を楽しむつもりでした…が…クリスマスの夜にトップから呼び出されます。

「大変素晴らしいMVVを作ってくれてありがとう。100点の出来だと思う。ただ、ぼくらは100点じゃダメだと思う。やるからには180点まで持っていきたい」

年末年始をゆっくりする計画はすべて水疱に帰しました。が、しかし、逆に意気に感じたことでこちらのやる気にも火が就きました。それからというもの、約1ヶ月かけて週3回、トップと膝をつきあわせて激論。ひとつのフレーズのバリエーションだけで100本以上持参して、オフィスの床一面に並べてああでもない、こうでもないとやりとりしたことも。

その結果、非常に満足のいくミッション・ビジョン・バリューが完成。しかも自己満足で終わるのではなく、このMVVをリリースしてからというものの事業が急成長を遂げ、半年後には上場、さらに1年後には東証一部へ市場替えまで果たしたのでした。

まとめ

取り掛かりの時点では業績拡大までは念頭に置いていませんでした。それよりも、トップの頭の中には社員みんなとの一体感が欲しいという、純粋な願いでした。しかし、ひとつひとつのステップを確実に踏んで、最後までクオリティにこだわりきることで、作り手の予想を大きく超えるレベルで社員にトップのマインドが伝播。まさしく全員経営、ひとりひとりが自分ごとで事業に取り組むようになり、結果として圧倒的な業績拡大に結びついた事例でした。

インナー、アウターに限らずブランディングは短期的な成果を追求するものではありません。あくまでステークホルダーとの関係性を良好なものにし、長期的、継続的に絆を深めていくものです。ただし正しいブランディングは早いか遅いかはありますが必ず結果が後からついてくるものでもあります。

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