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フルフィルメントサービス会社7社を比較!料金相場や選び方も解説

  • 最終更新日:2024.03.15
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フルフィルメントサービスを利用すると、EC事業の成長を実現しやすくなります。

この記事では、そんなフルフィルメントサービスの概要からメリット・デメリット、料金、おすすめのフルフィルメントサービス会社7社をご紹介します。

フルフィルメントサービスに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

フルフィルメントサービスとは?

フルフィルメントサービスとは、商品が注文されてから、その商品が購入者に届くまでの一連の業務を請け負うサービスのことです。この一連の業務の中には、注文受付や在庫管理、出荷業務などの一般的な物流業務のほか、決済対応、カスタマー業務、アフターフォローも含まれます。

一般的には物流会社が提供していますが、昨今ではAmazonやNTTなどの大手をはじめ、さまざまな会社がフルフィルメントサービスを請け負っています。

ただし、会社ごとで展開しているサービス内容が微妙に異なることがあるため、フルフィルメントサービスを利用する際は委託したい作業内容をまとめ、その要望を満たせる企業を選ぶことが大切です。

フルフィルメントサービスで委託できる業務

フルフィルメントサービスでは、一般的に以下のような業務を代行してくれます。

入荷検品

依頼主から発送された商品を入庫し、種類や数量、品質をチェック。バーコードなどを割り振り、指定の場所に商品を保管します。

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お問い合わせ対応

商品に関する質問など、消費者から寄せられるお問い合わせに対応します。

受注・決済処理

ECサイトで購入された商品の在庫状況や顧客の情報をチェックし、決済処理を行ないます。

在庫管理

過剰在庫や欠品を防ぐため、現在の在庫状況を確認。必要に応じて依頼主に発注をかけたりします。

ピッキング

注文された商品を保管している場所から取り出します。

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出荷検品

ピックした商品の種類や数量、品質を確認します。

流通加工

必要に応じて商品を加工します。たとえば、アパレル製品であれば、裁縫やタグ付けなどを行ないます。

梱包

商品を梱包し、出荷できる状態にします。必要に応じてギフトラッピングなども行ないます。

出荷

配送業者の集荷に合わせて、梱包した商品を渡します。商品出荷後、購入者へ配送完了メッセージなどを送ります。

カスタマーサポート(返品処理や返⾦処理など)

消費者から寄せられた商品に関するお問い合わせ、クレームに対応します。また、必要に応じて返品・返金対応も行ないます。


フルフィルメントサービスを利用すると、物流業務からカスタマー対応までトータルで任せることができます。

EC事業の売上拡大を目指し、販売促進にリソースを集中できるところがフルフィルメントサービスの大きな魅力と言えます。

フルフィルメントサービスを利用すべき企業の特徴

物流業務が負担となっている

「ミスやトラブルが頻発している…」
「商品数や注文数が増えて在庫管理や出荷作業が煩雑になっている…」

このように物流業務が負担となり、さまざまな問題が出ている場合、フルフィルメントサービスの利用がおすすめです。

そのままでは時間や人員、資金などのリソースを消耗してしまい、EC事業を成長させるための業務に集中できなくなるからです。

物流のプロに委託することで、物流業務が効率的になり、さらに売上を伸ばすための取り組みにリソースを割けるようになります。

物流業務が事業運営の負荷となっている企業様は、前向きにフルフィルメントサービスの利用を検討してみてください。

物流業務のコストを削減したい

物流業務を運用するには、倉庫や設備、システム、人員などを用意しなければなりません。

しかし、物流業務に必要なリソースを自社で用意するとコストが大きくなりやすいので、利益に影響する可能性があります。

フルフィルメントサービスを利用すると、自社で物流業務に必要なリソースを用意する必要がなくなるので、それらにかかるコストを削減できます。

出荷個数や倉庫の立地、配送料などによって変わってきますが、物流コストを抑えることで、利益が黒にしやすくなります。

特殊な商品を扱っている

  • 消費期限や温度管理が必要な商品
  • ギフトラッピングなどの付加価値サービスが必要
  • 越境ECなどの海外市場に展開する商品

このような特殊な商品を扱っている場合も、フルフィルメントサービスがおすすめです。

これらのケースでは、商品の特性に合わせた設備やシステムが必要になり、自社で用意するとなるとコストが膨らみやすいです。

そのうえ、特別な工程により作用量が増え、現場の負荷が増加する傾向にあります。結果、誤配送が起きたりします。

安定した物流サービスを提供するためにも、特殊な商品を扱っている場合は、プロに委託することを考えましょう。

EC事業を始めたばかり

EC事業を始めたばかりのときは、ECサイトの運営に慣れていません。また、物流に関するノウハウや設備も不十分であることが多いです。物流業務に関する知識や経験が不足しているので、自社で物流業務に対応することは難しいと言えます。

仮に自社で対応したとしても、物流業務に手間取ってしまい、EC事業の集客やマーケティングなどの業務に時間を割けなくなるリスクがあります。

商品が限られていて、さらに少量の注文数であれば、自社で対応できるかもしれませんが、将来的にEC事業を伸ばしていくことを考えている場合は、事前にフルフィルメントサービスを検討しておくとよいです。

フルフィルメントサービスの料金相場

フルフィルメントサービスを利用するには、一定の料金がかかります。

では、「どのような業務にどれくらいの料金がかかるのか?」ということですが、これは業者によって変わってきます。

したがって、一概に言うことはできませんが、たとえば、「入荷」「商品保管」「出荷」の場合、一般的には次のような価格帯となります。

入荷 商品1点あたり10円から60円程度
商品保管 商品1点あたり1日あたり0.5円から5円程度
出荷 商品1点あたり80円から300円程度(配送料込み)

これらのほか、システム利用料や梱包資材費用などもあり、それらをすべて含めると最低でも数十万円はかかります。

具体的な料金は業者によって変動しますので、フルフィルメントサービスを利用する際は、各社から見積もりを提示してもらい、それを比較検討するようにしましょう。

フルフィルメントサービスの選び方

フルフィルメントサービスを利用する際は、自社の課題に合わせて適切な業者を選ぶことが大切です。

事業の特性上、物流倉庫は気軽に変更できるものではありません。なぜかと言うと、一度、倉庫に入れた商品の入れ替えや登録情報の削除などには時間、労力がかかるからです。

そのため、フルフィルメントサービスを利用する際は、しっかりと各社を比較検討し、見極めることが重要になります。

以下、フルフィルメントサービスの選び方をご紹介します。

サービスの内容

フルフィルメントサービスの内容は業者ごとで異なります。その業者のサービス内容が自社の課題を解決してくれるのものか、ニーズを満たせるものか確認しましょう。

たとえば、「どれくらいの商品点数を保管できるか?」「カスタマー対応まで委託できるか?」などを聞いたりし、物流会社のサービス内容を把握しましょう。

サービスの内容を妥協して物流会社を決めたりすると、あとで後悔してしまう可能性があります。妥協せずにしっかりとサービスの内容を確認し、検討しましょう。

料金

フルフィルメントサービスの利用にかかる各社の料金を比較しましょう。

年々、物流コストは上昇傾向にあります。また、今後、2024年問題もあり、さらに物流コストが上がることが予想されます。

そうした状況の中、可能な限りコストを抑えることは、収益性の高いEC事業を展開していくうえで重要になります。

どれくらいの費用でフルフィルメントサービスを利用できるか、各社の情報をしっかりと確認し、比較検討しましょう。

倉庫の設備

自社の商材を問題なく保管できるか、各物流会社の倉庫の設備を比較しましょう。

たとえば、冷蔵・冷凍の商品を保管できる設備があるか、商品ごとで保管の温度調整ができる設備があるか、など商材の特性に合わせた設備の有無を確認したりします。

また、時期に応じて商品の保管量が変動する場合は、その対応可否をチェックしたりするなど、商材の特性に応じて柔軟に対応してもらえるかどうかも比較ポイントです。

物流管理システム

基本的に物流会社は物流管理システムを導入しています。その物流管理システムが自社のECサイトと連携できるかどうかも比較ポイントです。

既存のECサイトで連携できれば、余計なコストがかからず、工数も削減できます。

しかし、物流管理システムによっては、現在のECサイトと連携できないことがあり、その場合、委託に際して余計なコストや時間がかかってしまいます。

実績

今までどのような会社や商材のフルフィルメントを請け負ってきたか、どれくらいの商品数に対応した実績があるかなど、各社の実績を比較しましょう。

たとえば、自社と同じ課題を抱えている会社のフルフィルメントを請け負ってきた実績があれば、そのときの経験を活かしてサービスを提供してもらえます。

もちろん、必ずしも自社と同じ課題を抱えている会社を支援した実績がある物流会社にする必要はありませんが、そうであるとやはり安心して委託できます。

物流会社それぞれがどのような実績を持っているかは必ず確認しましょう。

フルフィルメントサービス会社7社

ここからは、フルフィルメントサービスを代行している会社を7社ご紹介します。

<会社一覧>
・株式会社CIN GROUP
・アートトレーディング株式会社
・株式会社スクロール360
・株式会社エスプールロジスティクス
・ディーエムソリューションズ株式会社(ウルロジ)
・株式会社トミーズコーポレーション
・ヤマト運輸株式会社

株式会社CIN GROUP

会社情報

所在地 東京都渋谷区道玄坂1-19-9 第一暁ビル7F ほか
設立 2012年7月
倉庫拠点 東京都、神奈川県、千葉県

特徴

これまで多くのEC事業者様を支援してきた実績があり、高品質な倉庫管理システム、柔軟な対応力、コストパフォーマンスの高さを評価されています。対応可能な商品は、アパレル、雑貨、化粧品、食品など多岐にわたり、導入している物流管理システムは、大手有名モールやショッピングカートとの連携も可能です。月間100万件程度の出荷代行にも対応できます。また、ギフトラッピングやチラシの同梱といったオプションもご用意。さらに、EC運用のコンサルティングも対応できます。EC事業をトータル支援できるところに大きな強みがあります。

アートトレーディング株式会社

会社情報

所在地 東京都豊島区東池袋1-18-1 Hareza Tower 20F ほか
設立 1996年1月12日
倉庫拠点 東京都、埼玉県、大阪府

特徴

倉庫内の温度や湿度を適切に管理し、商品の品質を保つとともに、バーコードやRFIDなどの最新技術を用いて、在庫の把握や出荷の精度を高めています。また、国内外の主要な物流会社と提携しているため、EC事業者はニーズに合わせて最適な配送方法を選択できます。配送状況の追跡や問い合わせ対応なども迅速かつ丁寧に行なってくれます。フルフィルメントサービスの利用を検討しているEC事業者にとって、最適なパートナーとなってくれるでしょう。

株式会社スクロール360

会社情報

所在地 静岡県浜松市中区佐藤2丁目24番1号 ほか
設立 1986年3月1日
倉庫拠点 北海道、茨城県、埼玉県、静岡県、大阪府

特徴

高品質かつ低コストで柔軟なサービス内容に定評があります。商品の入出庫や梱包、配送などの各工程において、厳しい品質管理を実施。また、返品・返金などのアフターサービスにも迅速に対応しています。自社倉庫を持ち、独自の物流ネットワークを構築しているため、EC事業者様は在庫や発送にかかるコストを大幅に削減できます。さらに、EC事業者のニーズに合わせて、カスタマイズしたサービスを提供しています。例えば、商品のラッピングやオリジナルの伝票などのオプションもあります。

株式会社エスプールロジスティクス

会社情報

所在地 東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル6階
設立 2013年12月
倉庫拠点 東京都、茨城県、千葉県

特徴

巨大商圏である首都圏に倉庫を集約させると同時に、配送会社と連携してスピーディーな配送を実現しています。これにより、お客様の満足度向上を見込めるサービスを提供できます。また、商品の梱包やラベリングなどの付加価値サービスや、返品対応やクレーム対応などのアフターサービスも充実。専任の担当者が常時サポートしてくれる体制を整えているので、物流に関する相談事があれば、素早く対応してくれます。EC事業を成長させるための強力な味方となってくれるでしょう。

ディーエムソリューションズ株式会社(ウルロジ)

会社情報

所在地 東京都武蔵野市御殿山1-1-3 クリスタルパークビル2F ほか
設立 2004年9月15日
倉庫拠点 東京都

特徴

独自の倉庫管理システムにより、出荷の自動化と効率化を実現。オンラインでの出荷指示や出荷実績、在庫確認、受注情報の自動連携、同梱物の自動カスタマイズなどが可能な体制を構築しています。また、都内に3か所ある物流センターは最新設備を備えた倉庫なので、急な物流増加にも柔軟に対応できます。さらに、物流のプロである専門スタッフが物流業務の徹底支援。チャットツールによる連携で円滑なコミュニケーションも実現します。最新設備(自動仕分け機オムニソータ)の導入でミスの回避と低コストでのサービス提供を実現しているところもポイントです。

株式会社トミーズコーポレーション

会社情報

所在地 大阪府泉大津市二田町3-2-23 ほか
設立 1996年3月
倉庫拠点 大阪府

特徴

物流コストの削減や商材に適した商品保管体制、突発的な出荷対応、システム連携による物流品質の向上を強みとしている会社です。自社で運営・管理している複数の倉庫でさまざまな商品を保管。商品の種類や出荷効率に応じた保管体制はトミーズコーポレーションならではの魅力と言えます。また、経験豊富なスタッフが複雑な物流システムを構築。誤出荷を減らす作業環境をつくることに成功しています。さらに、RFIDやRPAなどの新しい技術も取り入れており、常に最先端の物流サービスを提供しています。物流業務の手間やコストを削減できるだけでなく、顧客満足度の向上も期待できます。

ヤマト運輸株式会社

会社情報

所在地 東京都中央区銀座2-16-10 ほか
設立 2005年3月31日
倉庫拠点 全国

特徴

国内最大級の物流ネットワークと豊富な物流ノウハウを持っているため、EC事業者のニーズに応じた柔軟な対応が可能です。たとえば、商品の保管場所や発送方法、梱包資材、配送時間帯など、EC事業者が自社の状況に合わせて自由に選択できます。また、ヤマト運輸では商品の入出庫や在庫状況、配送状況などをリアルタイムに確認できるシステムも提供。EC事業者は常に最新の情報を把握できます。さらに、商品の返品や交換、クレーム対応などにも対応。EC事業者の物流業務に関する悩みや課題を解消できる、高品質なサービスを提供してくれます。

フルフィルメントサービスのメリット

フルフィルメントサービスを利用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、EC事業者にとって有益な情報をお伝えします。

EC事業の成長施策に注力できる

フルフィルメントサービスを利用すると、商品の保管や発送などの物流業務を専門の業者に任せることができます。これにより、自社で物流業務やカスタマーサポートをやらなくてよくなり、リソースを商品開発やマーケティングなどに集中できます。

物流サービスの品質を保てる

フルフィルメントサービスを提供する物流会社は、物流に関するノウハウや技術を蓄積しています。自社で対応するより効率的かつ正確に業務を進めることができます。たとえば、ピッキングや梱包などの作業はシステムによって自動化されているため、人為的なミスや時間的なロスを防げます。また、配送先や商品状況などの物流管理システムで管理されているので、お客様に迅速かつ安全に商品を届けることができます。注文から手元に届くまでがスピーディーになることで、顧客満足度の向上も見込めます。

人件費や倉庫代などのコストを削減できる

フルフィルメントサービスを利用すると、自社で物流倉庫やカスタマーサポートといった設備や人員を用意する必要がなくなります。これにより、固定費や人件費などのコストが大幅に削減され、収益の向上を見込めます。また、在庫過多や在庫切れなどのリスクも低減できます。

フルフィルメントサービスのデメリット

フルフィルメントサービスにはメリットがある一方で、デメリットもあります。以下、主なデメリットをご紹介します。

委託に際して費用がかかる

フルフィルメントサービスを利用すれば、自社で倉庫やカスタマーサポートを用意しなくてよくなりますが、委託に際して商品の保管費用などがかかります。

これらのコストは商材やアイテムの数量、保管期間などによって変動します。自社のケースではどれくらいの費用となるのか詳細を知りたい場合は、見積もりを取りましょう。

お客様の声を把握しづらくなることがある

フルフィルメントサービスはお客様対応まで一括で委託できます。これにより直接、お客様と接触できる機会が減ります。お客様からの問い合わせやクレーム対応は、顧客満足度向上や商品改善を実行する際の重要な情報となります。外部に委託すると、その情報が伝わりにくくなります 。

ただし、物流会社の中には顧客管理の一貫として、カスタマーサポートの内容を報告してくれるところもあります。そうした物流会社を選ぶことで、お客様の声を拾えなくなるリスクを軽減できます。

物流業務のノウハウを蓄積できない

フルフィルメントサービスを導入すると、物流に関する業務をすべて専門の業者に委託することになるので、自社にノウハウを蓄積できません。もし、将来的には自社で対応できるようにしたい場合は、ここがデメリットとなります。

ただし、今後も物流業務やカスタマー対応は外部の業者に委託していく場合は、デメリットとなるようなことはないでしょう。

まとめ

フルフィルメントサービスは、EC事業者の業務効率化を実現し、EC事業のさらなる成長に大きく貢献してくれるものです。

「物流のノウハウがない…」
「物流業務を専門の業者に委託したい…」
「カスタマーサポートまで依頼したい…」

という方は、ぜひフルフィルメントサービスの利用を考えてみてはいかがでしょうか。

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