不良在庫

不良在庫を削減する方法とは?余った商品を処分する方法も解説

  • 最終更新日:2024.01.26
不良在庫

「不良在庫を削減する方法がわからない…」

保管スペースや物流コストを押し上げる不良在庫。増え続ければ、ますます諸々のコストを圧迫してしまいます。そこで今回は、そんな不良在庫を削減する方法について解説します。不良在庫のメリットや処分の方法についてもまとめていますので、不良在庫の削減を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

そもそも不良在庫とは?過剰在庫との違いを解説

不良在庫は長期間保管場所に残っている、売れる見込みがない在庫のことを指します。具体的には、過剰生産や、賞味期限切れ、不良品や欠陥品が不良在庫に含まれます。不良在庫は、ほとんどの場合値引きセールで処分されますが、化粧品などは、値引きすることなくメーカー負担で廃棄処分されることもあります。

一方、不良在庫と似た用語で「過剰在庫」があります。過剰在庫は、長期間保管場所に残っている在庫のことを指しますが、まだ売れる見込みがある在庫を意味します。今後売れる見込みがあるという点が、不良在庫とは異なります。

たとえば、需要が高い時期に大量に仕入れを行ない、需要が落ちてしまった場合、その在庫は「過剰在庫」となります。その後、流行遅れとなり、売れる見込みがなくなった商品は、「不良在庫」となるのです。

不良在庫を抱えると、保管スペースが必要となります。それに伴い、人件費や光熱費が発生するので、保管しているだけで経済的損失となります。そのため、不良在庫の削減は企業の経営にとって重要な課題と言えるでしょう。

不良在庫を削減する3つの方法

不良在庫を抱えると、保管スペースを圧迫し、余計なコストが発生するなど、事業運営に悪影響が出ます。経済的損失を最小限に抑えるためにも、不良在庫の削減を検討しましょう。ここからは、不良在庫を削減する方法について解説します。

適正在庫を維持する

不良在庫を削減する方法のひとつに、適正在庫を維持することが挙げられます。適正在庫とは、欠品せずに、過剰在庫を生じさせない、最小限の在庫数のことです。この状態を保つことで、適正な発注が可能となり、発注ミスの削減につながります。

適正在庫を維持するためには、コストを最小化する在庫量に調節する必要があります。出荷量の平均やばらつき、在庫補充の頻度などを考慮し、常に適切な在庫数を保つことが大切です。

ただし、適正在庫は、定期的に最適化を行う必要があります。1度運用がうまくいったとしても、1年後は需要の変化によって、商品の取り扱いが減る可能性があるためです。そのため、定期的に数値を最適化する必要があるということを覚えておきましょう。

在庫回転率を高める

在庫回転率を高めることで、不良在庫を削減できる可能性があります。在庫回転率とは、一定期間内に在庫がどれだけ売れたかを示す指標です。在庫回転率が高いほど、商品の売れ行きが良いということになります。

逆に、在庫回転率が低い場合は、商品が売れずに、在庫として残ってしまう可能性があり、この商品が不良在庫へとつながってしまいます。在庫回転率を把握するという事は、在庫の動きを可視化することを指します。在庫の動きを確認できれば、経営状態を正しく判断でき、在庫切れなどの機会損失を防ぐことも可能です。

在庫回転率を上げるには、商品の発注から納品までに要する時間(リードタイム)を短縮することが大切です。リードタイムを短縮できれば、販売数の増加する可能性が高まり、在庫回転率の向上につながります。

在庫管理システムを導入する

不良在庫を削減するなら在庫管理システムの導入が効果的です。在庫管理システムは、在庫状況を正確に把握できるシステムです。適切な発注が可能となることから、過剰在庫や不良在庫を防げる可能性が高まります。

また、システムを導入することで、在庫管理の手間を減らすことができるため、人的なミスを削減し、在庫管理業務の効率化が期待できます。在庫管理システムには、ソフトウェアをインストールするパッケージ型、自社のサーバーにシステムを構築するオンプレミス型、インターネット上のシステムを利用するクラウド型などがあります。

自社で在庫を管理することは、時間と労力がかかります。リアルタイムでの在庫状況の把握も困難なため、適切な発注ができない可能性もでてくるでしょう。そのような事態を防ぐためにも、在庫管理システムを導入し、在庫数を適切に管理することが大切になります。

不良在庫が増えるとどうなる?

不良在庫が増え続けると、倉庫の保管スペースを占用することから、新たに商品の在庫を保管するスペースが減少してしまいます。加えて不良在庫の保管には、人件費や光熱費などのコストが発生し続けるため、経済的損失を増大させるでしょう。

また、不良在庫の種類によっては、放置していると他の在庫の価値を下げる可能性も出てきます。在庫の中に腐敗・色落ちした不良在庫が混在していると、近くに置いていた在庫にまで腐敗が伝わったり色移りしたり、悪影響を及ぼす可能性があるためです。

したがって、不良在庫は、経営に悪影響を与える事に加え、在庫の価値を下げる可能性もあります。結果的に顧客満足度の低下につながる場合もあるため、早急に対処することが大切です。

不良在庫を減らすメリット

不良在庫を減らすことには、さまざまなメリットがあります。以下、主なメリットを解説します。

コストを削減できる

不良在庫を減らすと、コスト削減につながります。不良在庫を管理するためには、保管するための倉庫代や人権費がかかります。商品によっては、適切な環境で保管する必要があるため、電気代や光熱費がかかる場合もあるでしょう。

売れる見込みがない在庫を抱えていると、継続的に管理コストがかさんでいきます。この無駄なコストは、会社経営を圧迫する可能性も出てくるでしょう。不良在庫を減らすことで、これらのコストを削減できます。

加えて、保管スペースにも余裕ができ、新たな商品を増やすことも可能となります。人件費や光熱費も削減できることから、企業の利益を向上させる可能性が高まるでしょう。これらのことから、不良在庫を抱えていると無駄なコストが多くかかるため、不良在庫を減らすことでコストの削減につながると言えます。

節税対策になる

不良在庫は、会計の観点から見ると棚卸資産として計上され、それが課税の対象となる資産として換算されます。そのため、不良在庫が増えるほど、企業が支払う税金も増えてしまうのです。

不良在庫は販売の見通しがたたないため、課税額が高くなれば、企業にとって大きな負担となります。課税額を減らすためにも、適切な手段を講じて不良在庫を処理し、資産の総額を減らす必要性があります。つまり、不良在庫を減らせば、結果的に、節税対策につながるのです。

さらに、不良在庫を減らすことで、企業のキャッシュフローも改善されるので、企業の成長に対して大きな影響を与えます。不良在庫の処理は、企業の経済的な健全性を保つために重要な要素と言えるでしょう。

不良在庫を処分する方法

不良在庫を処分する方法は、「値引き販売」「廃棄」をするかの2つの方法が挙げられます。商品の種類によって処分方法は変わりますので、自社の在庫を見直して、適切な対策を講じるようにしましょう。

まず、不良在庫を処分するために、店頭やECサイトなどで不良在庫の値引きセールを実施し販売します。ただし、値引きセールを頻繁に行うと企業やブランドのイメージダウンにつながる恐れがあるため、タイミングは適切に管理することが大切です。

加えて、賞味期限や消費期限がある場合は、正当な手続きを踏んで速やかに廃棄する必要があります。その際、医薬品などは安全面に十分配慮するようにしましょう。

また、不良在庫の処分が困難な場合には、その対策として「評価損」の計上が可能です。評価損とは、商品の取得価格よりも時価が低い場合のときの差額を指します。この評価損は、帳簿上での利益操作とみなされる可能性があるため、税務調査の際に注目される項目です。

したがって、評価損を計上する際には、その理由を裏付ける証拠を適切に保管しておくことが重要です。

まとめ

不良在庫は、売れる見込みがない在庫なので、増やし続けると経済的損失が大きくなります。そのため、不良在庫の削減は企業にとっても重要な課題と言えます。不良在庫を削減する方法は、「適正在庫を維持する」「在庫回転率を高める」「在庫管理システムを導入する」の3つです。これらの方法を実施することで、不良在庫を削減できる可能性が上がります。不良在庫を減らすことは、コスト削減や節税などメリットが多くあるので、早めに対処することが大切です。また、値引き販売しても売れ残った不良在庫は、適切な方法で廃棄処分する必要があります。特に医薬品などは安全面に充分配慮して処分するようにしましょう。ぜひ今回の記事を参考に不良在庫の削減に取り組んでみてください。

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