食品倉庫でおすすめの物流倉庫7社
食品を取り扱う企業にとって、適切な保管環境の確保は重要な課題です。
特に温度管理と衛生面での信頼性は、製品の品質維持や食品安全につながります。信頼できる食品倉庫を選ぶことで、食品の品質を維持でき、企業の信頼性を損なうことなく、安全かつ効率的な在庫管理を実現できます。
本記事では、そんな食品保管に強いおすすめの食品倉庫を7社ご紹介します。
また、食品倉庫の特徴や機能についてもまとめていますので、食品倉庫を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
食品倉庫の種類
食品倉庫は主に次の3つの種類が挙げられます。
- 定温倉庫
- 冷蔵倉庫
- 冷凍倉庫
ひとつずつ倉庫の特徴を解説していきます。
定温倉庫(+10℃~+20℃)
定温倉庫は、+10℃〜+20℃の温度帯で食品を保管する倉庫です。この温度帯は、菓子類やワイン、日本酒などの品質を維持するのに適していて、細菌の増殖を抑制できます。
また、定温倉庫は温度管理に加えて、湿度も適切な範囲に保つことで、カビの発生や結露を防いでいます。これにより、保管する食品の品質維持をサポートしています。
冷蔵倉庫(+10℃以下)
冷蔵倉庫は、+10℃以下の温度で食品を保管する倉庫です。定温倉庫に比べて温度が低く、野菜や果物、肉類などの保管に適していて、保管期間が短い食品に適しています。
冷蔵倉庫内の温度は、厳密に管理されています。食品の種類によって最適な保管温度が異なるため、倉庫内は複数の温度帯に分けられているのが一般的です。
冷蔵倉庫では、保管する食品の特性に応じて、以下のような温度管理が行なわれています。
等級 | 温度帯 | 保管品目 |
---|---|---|
C1級 | -10℃以下~-20℃未満 | 精肉・鮮魚介類 |
C2級 | -2℃以下~-10℃未満 | マーガリン・乳製品・精肉 |
C3級 | +10℃以下~-2℃未満 | 米・穀類 |
また、冷蔵倉庫では、温度管理と同様に湿度管理も徹底され、カビや細菌の繁殖を防止しています。食の安全を守るために、冷蔵倉庫は温度と湿度の両面から厳しく管理されているのです。
冷凍倉庫(-20℃以下)
冷凍倉庫は、-20℃以下の超低温で食品を保管する施設です。長期保存が必要な冷凍食品や、品質劣化の懸念がある食材の保管に最適です。冷凍倉庫内は、-20℃〜-25℃の温度帯を維持するため、高性能な冷却設備が必要となります。
この厳しい温度管理により、食品の風味や食感を損なうことなく、長期間の保存が可能です。冷凍倉庫の温度の分類は以下のとおりです。
等級 | 温度帯 | 保管に適している食品 |
---|---|---|
F1級 | -20℃以下~-30℃未満 |
・一般的な冷凍食品 ・冷凍魚介類 ・冷凍肉類 |
F2級 | -30℃以下~-40℃未満 |
・アイスクリーム類 ・調理用冷凍食品 |
F3級 | -40℃以下~-50℃未満 |
・マグロやカツオなどの大型の高級魚 ・長期保存が必要な魚介類 |
F4級 | -50℃以下 |
・超低温保存が必要な高級魚類 ・特殊な冷凍食品 ・特殊な研究用試料 |
さらに、冷凍倉庫では、温度ムラを防ぐための空気循環システムや、急激な温度変化を避けるための緩衝装置など、食品の品質を守るための設備が徹底されています。
食品倉庫に求められる機能と設備
ここからは、食品倉庫に求められる機能と設備について解説します。
厳密な温度管理
食品倉庫において、品質を維持するためにも、適切な温度管理は重要です。倉庫内の温度は、保管する食品の種類に応じて細かく設定されます。たとえば、冷凍食品は-18℃以下、冷蔵食品は10℃以下といった具合です。
この温度設定を厳密に管理することで、食品の劣化を防ぎ、安全性を確保できます。また、温度のモニタリングや記録も欠かせません。保管温度が基準から外れた場合には、迅速に原因を特定し、適切な対処を取ることが求められます。
適切な在庫管理
徹底した在庫管理も食品倉庫の重要な機能のひとつです。入荷日の古い商品から順に出荷する先入先出し方式を基本とし、定期的な在庫確認を通じて適正な在庫量を維持します。
また、在庫の定期的な棚卸しや、適正在庫量の把握も必要です。食品は賞味期限が限られているため、適切なタイミングで在庫を回転させ、無駄なく活用することが求められます。
さらに、倉庫内のレイアウトも在庫管理に大きく影響します。荷受けスペース、保管エリア、ピッキングゾーン、出荷エリアなどを適切に配置し、無駄のない動線を確保することが大切です。
計画的な在庫管理により、食品の品質維持と効率的な物流を実現できるでしょう。
受注から配送までの徹底した管理体制
ECサイトからの注文に対応するには、倉庫の在庫状況をリアルタイムで把握できるシステムが重要です。受注情報に基づき、商品のピッキングから梱包、配送手配までをスムーズに進めます。
また、出荷時には、梱包や送り状の発行、配送手配など、一連の工程を迅速かつ正確に行なう必要があります。在庫切れや配送トラブルを防ぐためにも、倉庫内の作業フローを最適化し、ECサイトとの情報連携を密にすることが求められます。
さらに、返品や交換への対応も重要なポイントのひとつ。顧客対応の質を維持しつつ、スムーズな物流オペレーションを実現するための仕組み作りが大切です。
衛生面における品質管理
安全性に配慮した衛生管理は、食品倉庫にとって重要なポイントです。食品の品質を守るためには、衛生的な保管環境が必要となります。具体的には、定期的な施設の清掃や消毒、従業員の衛生教育、害虫・異物の侵入防止対策などが対策として挙げられます。
また、倉庫内の湿度管理も重要です。カビや細菌の繁殖を防ぐために、適切な湿度を維持する必要があります。
加えて、保管食品の特性に応じた区分管理も衛生管理において重要な要素のひとつです。アレルギー物質を含む食品は、専用の保管スペースを設けるなどの配慮が必要になります。
このように徹底した衛生管理があるからこそ、安全な食品を消費者に届けることが可能となります。
設備・機器の充実による業務効率化
食品倉庫では、商品の安全性を確保するため、清潔な保管環境を整えておく必要があります。冷蔵・冷凍設備はもちろん、温度や湿度を適切にコントロールするための空調システムも重要です。
また、入出荷をスムーズに行なうためのトラックバースや、フォークリフトなどの荷役機器も欠かせません。在庫管理を円滑に行なうためのバーコードリーダーや、倉庫管理システム(WMS)など、ITツールを導入することで、作業効率を高められるでしょう。
さらに、非常時に備えた自家発電設備や、防犯カメラなどのセキュリティ機器も必要です。こうした設備を適切に配置し、機能させることで、食品の品質を守りつつ、生産性を高めることができるのです。
おすすめの食品倉庫会社7選
株式会社CIN GROUP
株式会社CIN GROUPは、ECサイト運営に特化した物流代行サービス「asnaro」を展開する企業です。埼玉県、千葉県、神奈川県の関東主要エリアに物流倉庫を保有し、アパレル、化粧品、雑貨、サプリメント、加工食品など幅広い商品の保管・出荷にワンストップで対応。ギフトラッピングやメッセージカード同梱などの、きめ細やかなサービスも提供しています。
明朗会計で人件費やシステム管理費も見える化し、温度管理が必要な商品や繁忙期の大量出荷にも対応可能です。累計案件数100件以上、継続率90%と高い実績を誇っている「asnaro」に任せることで、物流業務の効率化と品質向上を実現できるでしょう。
株式会社いつも
株式会社いつもは、EC物流に特化したプラットフォームサービス「コネクトロジ」を提供しています。食品をはじめ、化粧品、ギフト商品など多岐にわたる商品の物流ニーズに応えられる体制を整備。3温度帯倉庫の運営や衛生管理体制に加え、受注から出荷までの一貫したサービスを展開しています。
また、同社では、ピッキングから梱包、発送までの業務を一括で代行できるため、在庫管理も効率的に進められます。ギフト商品向けには、ラッピングやメッセージカード対応など、付加価値の高いサービスも提供可能です。
株式会社いつもは、企業に向けて物流面からの総合的なサポートを行ない、販売機会の拡大に貢献できるでしょう。
SBSフレック株式会社
SBSフレック株式会社は、食品の安全と品質を守る物流企業です。同社の食品倉庫では、衛生管理と温度管理の両面から徹底した品質管理を実施しています。食品衛生法に基づいた清潔な倉庫内の維持だけでなく、作業スタッフの衛生管理にも力を入れています。
また、3温度帯(冷凍・冷蔵・常温)に対応した倉庫内は、こまめな温度チェックと異常時の迅速な対応により、常に最適な状態に保たれています。商品特性に応じた保管環境を提供し、入荷から保管、ピッキング、流通加工、荷揃え、トラック積み込みまで一貫した温度管理を徹底しています。
加えて、ネット通販需要の高まりを受け、多頻度少量出荷にも柔軟に対応。温度帯変更や先入れ先出し、食品EC物流への対応など、柔軟なソリューションを提供しています。
株式会社オープンロジ
株式会社オープンロジは、EC事業者向けに、全国70箇所以上の提携倉庫ネットワークを活かした冷凍・冷蔵倉庫保管および物流代行サービスを提供しています。
ECショップとのAPI連携により、受注から出荷までの自動化を実現し、93.5%以上の自動出荷率を達成しています。
初期費用や固定費がかからない従量課金制のため、小ロットから無駄なくサービスを利用できるのも魅力のひとつ。徹底した温度管理と在庫管理により、食品の品質と鮮度を守り、誤出荷率0.002%以下という高品質な物流環境を提供しています。
株式会社ミラク
株式会社ミラクは、55年以上の食品卸売業経験を活かした冷凍・冷蔵食品に特化した物流サービスを提供しています。神戸市北区と西宮市、山口町に3拠点を構え、超低温冷凍-50℃から冷蔵10℃以下まで、4つの温度帯に対応した保管環境を整備します。
在庫管理システム(WMS)を活用し、入出荷から在庫管理までをデジタル化。ピッキング、アソート梱包、ギフト包装など細やかな作業にも対応します。
さらに、99.99%という高い出荷精度を実現していて、設備投資や維持費、人件費の削減にも貢献します。酒小売業や菓子製造販売など、様々な業種の企業の物流効率化と顧客満足度向上に寄与している企業です。
三菱倉庫株式会社
三菱倉庫株式会社は、全国規模の物流プラットフォームを活かし、食品・飲料業界の物流課題解決をサポートします。
同社は、全国100万㎡の自社倉庫網と、6,500台規模の配送車両による輸配送体制を確立しています。常温から冷凍まで4温度帯に対応した物流ネットワークを展開し、食品物流の安全性と効率性を実現可能です。
また、自社開発の倉庫管理システムで温度・賞味期限・ロット管理を徹底。輸入食品の検品やラベル貼り、キャンペーン用のセット作業など、季節波動に応じた流通加工サービスも実施。国内だけでなく、東南アジアでも4温度帯倉庫とコールドチェーンを構築し、グローバルな食品物流ニーズに応えています。
株式会社オージーフーズ
株式会社オージーフーズは、食品通販事業で34年以上の実績を誇る企業です。
埼玉県三郷市の交通至便な場所に2,156.59坪の物流センターを構え、定温・冷蔵・冷凍・常温の4温度帯に対応した保管体制を整備しています。
同社は、大手通販会社や航空会社など、幅広い業界からの依頼に対応。入庫から保管、出荷までを一貫して請け負っています。徹底した温度管理や異物混入防止に加え、セキュリティ対策など、食品物流に求められる高い品質基準を満たしている企業です。
まとめ
食品倉庫は温度管理や衛生管理が厳格な基準で運用される施設です。保管品の安全性を確保するため、専門性の高い管理体制が必要となります。食品の品質維持のためにも、保管環境や物流品質を重視した倉庫選びを心がけましょう。