EC受注代行サービスとは?おすすめの代行会社7社もご紹介

ECサイトを運営していると、注文対応が複雑になり、負担が増えることがあります。顧客対応の遅れや作業のミスが発生し、信頼に影響を与える可能性もあります。特に人員が限られている場合、効率的な運営が難しくなる場面もあるでしょう。
効率的な業務運営を実現するためには、受注代行サービスを活用することがおすすめです。この記事では、EC受注代行サービスの概要やメリット、おすすめの会社をご紹介します。また、EC受注代行会社の選び方も解説しますので、EC運営の効率化を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
EC受注代行サービスとは?
EC受注代行サービスは、ECサイトの受注管理業務を専門の企業に委託するサービスのことです。受注代行サービスを利用すれば、注文確認や入金処理などの業務を外部に委託できるため、それらの業務を自社で対応しなくてもよくなります。
ECサイト運営では、ECサイトが成長するにつれて業務が複雑になりがちです。中小企業では限られた人員で対応しきれなくなることが少なくありません。特に、オプションサービスが増えると、受注処理が煩雑になりミスが発生する可能性も高くなります。
しかし、EC受注代行サービスを利用すれば、専門のスタッフが効率的に業務を進めてくれます。そのため、自社のスタッフはマーケティングや商品開発など、より重要な業務に専念できます。また、繁忙期と閑散期の波がある業種では、人件費を柔軟に調整できる点も魅力です。
EC受注代行サービスの必要性
EC運営では、ECサイトが成長するにつれて受注処理業務が増加します。また、オプションサービスが増えると、処理業務がさらに複雑化するため、対応ルールが多様化し、業務が特定の担当者に依存しやすくなります。
また、繁忙期には処理が追いつかず、出荷の遅れが発生する可能性もあります。さらに、受注処理でミスが起こるリスクも高くなります。これらの課題に対処する方法として、業務の自動化や外部委託が挙げられます。
たとえば、受注処理の大部分を効率化できれば、企業は顧客対応やマーケティングといった売上に直結する業務に集中することができます。EC受注代行サービスを導入することで、人手不足の解消や業務効率化につなげられます。
EC受注代行サービスで対応可能な業務範囲
EC受注代行サービスでは、幅広い業務を外部に委託できます。以下は、EC受注代行サービスが対応可能な主な業務内容です。
業務範囲 | 概要 |
---|---|
受発注管理 | 注文確認、入金確認、受注データの管理を行ない、ミスや遅延を防ぐ対応。 |
在庫管理 | 在庫状況の確認、更新、欠品防止のための調整やレポート作成。 |
発送手配 | 配送業者との連携、送り状作成、発送スケジュールの管理。 |
返品・交換対応 | 顧客からの返品や交換依頼への対応、在庫調整や返金手続き。 |
問い合わせ対応 | 商品や注文に関する顧客からの問い合わせ対応(メールや電話など)。 |
複数サイト運営支援 | 複数のECサイトでの受注データ統合、窓口の一元化。 |
ギフト対応 | ギフト包装やメッセージカードの同梱など、特別な注文への対応。 |
セット商品管理 | セット商品の在庫調整や、注文内容の正確な反映。 |
データ管理・分析 | 受注データの集計や分析、運営状況のレポート作成。 |
キャンペーン対応 | 繁忙期や特別なキャンペーン時の受注増加への体制強化。 |
注文確認や入金処理、発送手配といった基本業務はもちろん、複数のECサイト運営における窓口統一やセット商品の対応など、煩雑な作業もプロに任せられます。また、自社の状況や運営規模に応じて柔軟に活用できるため。繁忙期や特別なキャンペーン時の負担軽減につなげられます。
EC受注業務における自社対応と外部委託の比較
EC受注業務を自社で行なうか外部委託するかは、以下のポイントをもとに検討するとよいです。
- コスト
- 品質
- リスク
自社対応には、初期コストがかかりますが、ノウハウの蓄積や顧客との直接的なコミュニケーションが可能になる利点があります。一方で、EC受注代行サービスを利用すれば、初期投資をおさえつつ専門的なサービスを迅速に導入できます。ただし、ランニングコストが発生します。
品質の面では、代行会社の専門性を活かした対応が期待されますが、自社ブランドへの理解や愛着という点では、自社対応が優れる場合もあります。
リスク管理の観点では、情報セキュリティや災害時の事業継続計画(BCP)への対応が課題です。自社対応はリスク管理を自分で行なえる反面、コストや負担が大きくなります。EC受注代行業者は専門的なセキュリティ対策が期待できる一方、情報漏洩のリスクがあります。
自社対応か受注代行サービスのどちらを選ぶかは、業務量や経営方針に合わせて柔軟に検討することが大切です。
EC受注代行サービスのメリット
EC受注代行サービスのメリットは、主に以下の3つです。
- 自社リソースの不足を補える
- 人件費削減が期待できる
- プロのノウハウを活用できる
EC受注代行サービスの最大のメリットは、自社リソースの不足を補える点です。EC事業には、幅広い業務が含まれますが、これらを専門会社に委託することで、企業は本来の業務に集中できます。また、社員の雇用や教育にかかる費用と比較すると、EC受注代行サービスは人件費削減が期待できます。特に、繁忙期と閑散期の差が大きい場合には、固定費を変動費化できる点が魅力です。さらに、専門会社の経験を活かした運用ノウハウやトラブル対応を利用できる点も重要なポイント。顧客対応の質が向上し、満足度の向上が期待できます。
EC受注代行サービスのデメリット
EC受注代行サービスには、次のようなデメリットもあります。
- 顧客の声を把握しにくくなる
- 初期費用が多くかかる場合がある
- 代行業者によってサービス品質にばらつきがある
外部に業務を委託すると、顧客の声や市場変化を直接把握する機会が減る可能性があります。これにより、顧客ニーズへの迅速な対応が難しくなります。また、初期設定や既存システムとの連携には予想以上のコストがかかる場合があります。特に、現在使用しているシステムが複雑であるほど、連携作業に多くの時間と資金を要することが考えられます。
さらに、顧客対応の品質管理も課題です。EC受注代行会社の対応が自社ブランドに直接影響するため、サービス品質の確認が重要です。柔軟な対応が難しいEC受注代行会社では、急な仕様変更や特殊な対応がスムーズに進まないこともあります。これらのデメリットを理解したうえで、自社に適した会社を選ぶことが求められます。
EC受注代行サービスの選び方
EC受注代行サービスは、EC事業の効率化や顧客満足度向上につなげられるサービスです。しかし、それらのメリットを得るためには、信頼できるEC受注代行会社を選ぶことが大切になります。ここでは、EC受注代行会社を選ぶ際のポイントを解説します。
料金体系を確認する
EC受注代行サービスを選ぶ際、料金体系の選定は重要です。料金体系は主に以下の3種類です。
- 月額固定制
- 従量制
- ハイブリッド型
月額固定制は、毎月一定額を支払う仕組みで、受注件数が変動してもコストを予測しやすく、安定した受注数を持つ中小規模のECサイトに適しています。
従量制は受注件数に応じて費用が変動するため、季節変動の大きい商品を扱う企業や成長中のECサイトに向いています。繁忙期にはコストが増える一方、閑散期には費用を抑えられる点が特徴です。
ハイブリッド型は基本料金と従量課金を組み合わせた形式で、安定性と柔軟性を兼ね備えています。自社の規模や商品特性を踏まえ、適切な料金体系を選ぶことが、効率的な運営につなげられます。
対応サービスの範囲を確認する
EC受注代行サービスを選ぶ際は、自社の受注業務を明確にし、各社がどの範囲まで対応可能かを確認する必要があります。一部の会社では、土日祝日や年末年始などの特定の期間にも対応しており、柔軟な運用が可能です。
また、海外向けのEC運営を視野に入れる場合、外国語対応が得意な会社や、国際的な取引に特化したサポートを提供するのも選択肢となります。
さらに、EC受注業務以外の関連業務(カスタマーサポートや物流など)を一括で依頼できる会社を選ぶことで、商品理解が深まり、サービス品質の向上が期待できます。
システム連携などの技術面で各社比較する
EC受注代行サービスの選び方では、システム連携とセキュリティ対策も重要な判断基準となります。まず、ECモールとの連携方法には、APIを利用した直接連携と、外部システムを介した連携があります。直接連携はデータの即時反映に適し、外部システム経由では複数サイトの一元管理が可能です。それぞれの特性を理解し、自社の運営体制に合う方法を選ぶことが求められます。
セキュリティ対策では、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)やプライバシーマーク(Pマーク)の取得状況、SOC2報告書の有無が確認ポイントです。合わせて定期監査の実施やバックアップ体制もチェックしましょう。データの分散管理やクラウド環境での保管は、障害発生時のリスク軽減に役立ちます。
これらの技術的要素を比較し、自社ECの規模や成長に適した連携方法とセキュリティレベルを選ぶことが、運営の安定性と顧客信頼の向上につながります。
EC受注代行サービスを提供している会社7選
ここからは、EC受注代行サービスを提供している7社をご紹介します。
株式会社CIN GROUP(asnaro)

株式会社CIN GROUP(asnaro)は、ECサイト運営における顧客対応の課題を解決する高品質なEC受注代行サービスを提供しています。電話・メール対応から受注処理、返品・返金対応、クレーム処理まで、あらゆる業務を包括的にサポートします。
同社の強みは、楽天RMS、Yahoo!ショッピング、Amazon、Shopifyなど、主要なECプラットフォームへの対応力です。豊富な通販EC業務経験を持つオペレーターが、クレーム対応などにもケーススタディに基づいた的確な対応を行ないます。
また、初めてEC業界に参入する業者も、利用しやすい価格設定でなのも魅力です。小規模事業者向けに月額10万円からのミニマムパッケージを提供しています。アパレル、コスメ、食品など、多様なジャンルでの実績もあり、マニュアルがない場合でも質問への対応や業務内容のレクチャーがあれば柔軟に対応可能です。セールやキャンペーンなど販促強化時の対応も可能で、クライアント企業の売上・利益に貢献するための提案力も備えています。
株式会社三協

株式会社三協は、半世紀にわたる物流代行の実績を持ち、アパレルや雑貨、化粧品などさまざまな業種向けにEC受注代行サービスを提供しています。同社の強みは、自社SEによるシステムソリューションと受注管理専門チームの存在です。ネクストエンジンやクロスモールなど多様な受注管理システムと倉庫管理システムをシームレスに連携させ、良心的な価格で生産性の高いサービスを実現しています。
楽天の与信がNGの際の自動キャンセル処理やインスタライブ中の注文など、例外的なケースにも柔軟に対応。楽天スーパーセールなどの繁忙期でも「あす楽」対応を確実に実施し、コロナ禍においても未出荷になったケースはありません。返品・交換対応も迅速で、ブランドイメージを損なわないよう細心の注意を払ったサービスを提供しています。
株式会社関通

株式会社関通は、EC受注管理における課題解決に特化したサービスを提供しています。大量の処理ミスや社員の離職、受注キャンセルなど、EC運営企業が直面する様々な問題を解消し、企業の成長を支援します。
同社は、受注処理の専門部隊による徹底的なチェック体制により、驚異的なミス率0.008%を実現している点が強みです。また、独自開発の自動化システムを活用し、配送日数設定や容量判定、商品追加など多くの作業を無人で処理できます。
温度帯別発送や購入条件に応じた発送方法の自動判定、熨斗・名入れ対応など、細かな条件設定に基づく自動化技術も魅力のひとつ。これにより効率的な業務遂行を実現し、企業は「販売」というコア業務に集中できるようになります。
さらに、独自のチェックリストシステムで人的作業の品質を向上させ、属人化も防止します。受注から物流まで一括委託できるため、業務プロセス全体の最適化が図れるEC受注代行サービスといえるでしょう。
KSプレミアムスタッフ株式会社

KSプレミアムスタッフ株式会社は、受注業務に関わる多様な課題を抱えるEC運営企業向けに、総合的な受注代行・カスタマーサポートサービスを提供しています。
ECモール(楽天、Yahoo!、Amazonなど)から自社ECサイト、電話・FAX注文まで幅広いシステムに対応している点が特徴です。同社のサービスは、「受注対応に時間がかかり本業に集中できない」「採用・育成コストの負担」「繁忙期の業務逼迫」といった課題を解決します。
導入のメリットとして、受注業務から解放されることで店舗展開やマーケティングなどのコアビジネスに集中できる点、複数名のサブ担当育成による業務の安定化などが挙げられます。
食品メーカーや、アパレルメーカー、スキンケア・健康食品メーカーなど幅広い業種での導入実績を持ち、企業の個別ニーズに合わせた柔軟なサービス提供を行なっています。専門知識と経験に基づいた質の高いサポートで、EC受注業務の効率化と企業成長を後押しするでしょう。
株式会社スクロール360

株式会社スクロール360は、60年を超える実績を持つEC・通販事業者向けの受注代行・コールセンターサービス提供会社です。
「初めてのアウトソーシングで心配」「一部だけ頼みたい」「あれもこれも頼みたい」など、あらゆる要望に応える体制を整えています。
同社が選ばれる理由として、実績あるシステム・インフラの完備による繁閑期の人員調整不要、トータルコストの削減などが挙げられます。すでに使用しているシステムがあれば、そのまま対応することも可能です。
提供サービスは、メール・電話での問い合わせ対応からSNS運用まで多岐にわたります。基本プランと専用プランを用意し、最短1か月での運用開始が可能なEC受注代行サービスです。
株式会社アプロ総研

株式会社アプロ総研は、ECサイトの受注処理とカスタマーサポート業務を専門的に代行する企業です。年間100万件以上の処理実績を持ち、初期契約費用無料、最低契約期間なしという柔軟な条件が特徴です。
サービスは月額固定費用と従量課金制を組み合わせた料金体系を採用しており、77,000円(税込)からスタート可能です。繁忙期だけでなく閑散期にも赤字リスクをおさえられる点が多くのEC事業者から支持されています。
対応システムは楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazon、各種カートシステムなど多岐にわたり、業務範囲も受注処理からカスタマーサポート、サイト更新、メルマガ配信まで幅広くカバー。
実際の導入企業からは「レスポンスの早さ」「柔軟な対応力」が高く評価されており、EC受注代行により企業がコア業務に集中できる環境づくりをサポートしています。プライバシーマーク取得済みで、顧客の個人情報も安全に管理されています。
株式会社ザーナス

株式会社ザーナスは、EC事業者の受注業務を総合的に代行するサービスを提供しています。受注確認から出荷完了メールの配信まで、受注処理に関わる幅広い業務を一括でサポート。特にキャンセル処理や返金対応、領収書発行など顧客からの各種リクエストにも迅速に対応する体制を整えています。
同社のサービスの特徴は、受注処理だけでなく、オプションサービスも充実している点です。ECサイト運営代行や広告運用、データ分析まで幅広く対応し、EC事業者の業務効率化を総合的にサポートします。
導入企業からは「イレギュラーな確認事項への対応」や「24時間以内の受注処理」など、迅速かつ柔軟なサービス提供が高く評価されています。自社のEC受注業務に課題を抱える企業にとって、リソース不足を解消し、コア業務に集中できる環境を提供する頼れるサービスといえるでしょう。
EC受注代行サービス導入後のチェックポイント
EC受注代行サービスを導入した後は、以下のポイントを考慮しましょう。
- KPI設定
- 定期的なミーティング
- 緊急時の対応を共有
- 代行会社からのアドバイスをうける
まず、KPIを設定して定期的に効果を確認しましょう。受注処理時間、顧客満足度などの指標を活用し、投資対効果を可視化することが重要です。また、代行会社との関係構築では、定期的なミーティングの実施がポイントとなります。月次での業務振り返りや改善点の共有により、サービス品質の向上につなげられます。
さらに、緊急時の対応フローも明確にしておくのがおすすめです。システムトラブルや大量注文発生時の連絡体制を事前に構築しておくことで、迅速な対応が可能になります。その他、代行会社からの改善提案にも耳を傾けることも大切です。EC受注の専門家として多くの経験を持つ彼らの視点は、自社の業務改善に役立つ貴重な情報源となります。
まとめ
EC受注代行サービスは、注文確認から発送手配、返品対応まで幅広い業務をアウトソーシングできるソリューションです。人件費削減やコア業務への集中といったメリットがある一方、自社へのノウハウ蓄積が進まないというデメリットも存在します。
サービス選定には料金体系や対応範囲などを、比較検討し、導入の際は契約内容を精査し、計画的な移行プロセスを経ることで、運営業務の効率化につなげられます。ぜひ、本記事の内容を参考に、EC受注代行サービスを検討してみてください。