ECサイトマーケティング大全!集客、売上、リピーターを増やす施策を徹底解説
ECサイトの集客が思うようにいかず、悩んではいませんか?
ECサイトの売上を伸ばすためには、集客からコンバージョン、リピート購入までの一連の流れを最適化する必要があります。
本記事では、ECサイトの効果的なマーケティング戦略について解説します。
リピーターを増やす施策もまとめていますので、ECサイトのマーケティングに課題を感じている方は、ぜひ本記事の内容をお役立てください。
ECサイトマーケティングとは?
ECサイトマーケティングとは、オンラインショップの売上や利益を増やすために行なうさまざまな活動を指します。
具体的には、以下のような施策が含まれます。
- 集客
- コンバージョン率の向上
- リピート購入の促進
効果的なマーケティングを行なうには、目標を明確にし、顧客の視点でサイトを設計することが大切です。あわせて、データを分析して、問題点を改善していく戦略的なアプローチも求められます。
ECサイトマーケティングの基本戦略
ECサイトのマーケティング戦略を成功させるためには、主に以下4つのポイントを押さえることが大切です。
- 明確な目標とKPIの設定
- 顧客視点のサイト設計
- 顧客生涯価値(LTV)に基づいた広告予算の配分
- アクセス解析や売上データの活用
それぞれのポイントを解説します。
明確な目標とKPIを設定する
ECサイトのマーケティング戦略を立てる際には、まず明確な目標を設定することが重要です。目標を具体的に定めることで、チーム全体が同じ方向に向かい、一貫した施策を展開できます。目標は、売上や顧客数、リピート率など、具体的かつ測定可能なものにしましょう。
次に、KPIを設定します。KPIとは、重要業績評価指標のことを指し、組織やプロジェクトの目標達成度を測るための具体的な指標です。これを決めることにより、目標達成に向けた具体的な施策を立てやすくなります。
たとえば、月間売上目標が1,200万円の場合、次のようなKPIが考えられます。
- 訪問者数を10万人にする
- CVRを1.2%に引き上げる
- 平均購入額を10,000円にする
設定したKPIは、関係部署と共有し、施策の優先順位を決めることが大切です。
特に、CVRを高める施策は、比較的短期間で効果が現れやすいというメリットがあるため、効率的に売上向上を図れます。
顧客視点に立ってECサイトを設計する
顧客視点に立ったECサイト作りのポイントは以下のとおりです。
- 基本的なユーザビリティの確保
- デバイス対応と機能の充実
- 購入プロセスの最適化
基本的なユーザビリティとは、シンプルで直感的なナビゲーション、見やすいレイアウト、わかりやすい商品説明のことです。これらはユーザーが快適にサイトを利用するための基本となります。
デバイス対応については、スマートフォン対応は必須といえます。また、サイト内検索機能やレコメンド機能など、顧客の利便性を高める機能の実装も重要です。
購入プロセスについては、会員登録や商品購入の手順を簡素化し、複数の決済方法を用意することで、顧客の負担を軽減できます。
これらのポイントを押さえることで、より多くの人が利用しやすいECサイトを実現し、売上アップにつなげられるでしょう。
LTV評価に基づいて広告の予算配分を考える
ECサイトの運営において、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)は重要な指標です。
LTVとは、一人の顧客が、サービスを利用し始めてから終了するまでの間に、どれくらいの売上を生み出してくれるかを示す数値です。簡単に言えば「顧客一人あたりの価値」を指します。
広告費用を使って新規の顧客を獲得する際、その顧客から得られる売上(LTV)と、顧客を獲得するためにかかる費用(顧客獲得コスト)を比較することが大切です。
たとえば、顧客一人を獲得するのに5,000円かかり、その顧客から得られる売上が15,000円の場合、利益は10,000円となります。
LTVの活用方法として重要なのは、広告予算の配分です。LTVが顧客獲得コストより十分に高い広告施策には積極的に予算を投資し、逆にLTVが顧客獲得コストを下回る場合は、その広告施策の見直しが必要です。
また、定期的にLTVを計測し、広告予算の使い方を調整することで、より効率的な広告運用が可能になります。
データ分析に基づいて施策を改善する
ECサイトのマーケティングでは、データに基づいて改善を進めることが大切です。
サイトへの訪問者数や購入率、離脱率などのデータを分析し、問題点を見つけ出します。その後、改善案を考えて実行し、効果を確認するという流れを繰り返していくのです。
商品ページで多くの人が離脱してしまう場合、「商品の説明がわかりにくいのではないか」「写真が見づらいのではないか」といった仮説を立てます。そして、商品説明を詳しくしたり、写真を大きく表示したりといった改善を行ないます。
改善後は必ずデータを確認し、効果があったのかを検証します。この「分析→改善→効果確認」というサイクルを続けることで、少しずつECサイトの集客数を上げていくことができます。
ECサイトの集客施策
ECサイトへの集客力を高めるには、適切なマーケティング施策が大切です。
集客のための主なマーケティング施策は、以下の3つです。
- SEO対策とコンテンツマーケティング
- SNSマーケティング
- 広告施策の運用
各マーケティング施策について見ていきましょう。
SEOとコンテンツマーケティング
ECサイトへの自然検索からの訪問(オーガニック流入)を増やすためには、検索エンジン対策(SEO対策)とコンテンツ作りが重要です。商品を探すユーザーの検索意図を理解し、適切なコンテンツを提供することで、自然検索からの訪問者を増やし、購入につなげやすくなります。
ECサイトでは、商品カテゴリーページや商品詳細ページが重要な役割を果たします。商品の特徴や使い方、サイズ感などの情報を詳しく掲載し、購入を検討している人の疑問を解決できるコンテンツを提供しましょう。
ECサイトのSEO対策を行ない、顧客の購買行動に沿った関連コンテンツを提供することで、検索順位や売上向上につながります。
SNSマーケティングの実施
ECサイトの集客数を上げるためにも、SNSマーケティングを実施しましょう。
各SNSの特徴を理解し、自社の商品やターゲット層に合わせて適切なプラットフォームを選ぶことが大切です。
Instagramは、視覚的な訴求に優れており、商品の魅力を写真や動画で伝えるのに適しています。特に、ファッションや食品、インテリアなどの商材に向いているSNSです。
LINEは、すでに関心を持っている顧客(友だち登録者)とのコミュニケーションツールとして効果的。クーポンの配信などで既存顧客の再購入を促せます。
Xは拡散力の高いプラットフォームとして、即時性のある商品情報やキャンペーン告知に適しています。10代後半から30代の利用者が多く、ニュース性のある情報が拡散されやすい特徴があります。ハッシュタグを活用した情報発信により、商品の認知度向上や新規顧客の開拓につなげられるでしょう。
各種広告施策の運用
ECサイトの広告施策として、リスティング広告、ショッピング広告、ディスプレイ広告の3つが特に効果的です。リスティング広告は、検索結果の上位に表示されるため、高い費用対効果が期待できます。
ショッピング広告は、商品画像と価格が表示されるため、ユーザーの購買意欲を喚起しやすいでしょう。一方、ディスプレイ広告は、ECサイトを訪れたことのあるユーザーに対して再度アプローチできるリマーケティング広告として活用すると効果的です。
これらの広告は、SEO対策などの長期的施策と組み合わせ、バランスの取れた広告運用を行なうことが重要です。
ECサイトの売上向上施策
ECサイトの売上を伸ばすためには、さまざまなマーケティング施策を効果的に組み合わせることが重要です。
ここでは、ECサイトの売上向上に直結する以下の4つの施策を取り上げます。
- ランディングページの最適化
- 商品レビュー・口コミの活用
- サイト内検索とレコメンドの活用
- 「カゴ落ち」対策の実施
ひとつずつ解説します。
ランディングページの最適化
ECサイトのランディングページは、訪問者が最初に目にする重要なページです。コンバージョン率を高めるためにも、ランディングページを最適化しましょう。ランディングページの目的を明確にし、ユーザーが求める情報を簡潔に提示することが大切です。
また、ページの読み込み速度が遅い場合は、対策を講じる必要があります。表示が遅いページは、訪問者がストレスを感じて離脱してしまう原因となります。そのため、画像の最適化やサーバーの応答速度の改善など、表示速度を向上させる取り組みが重要となります。
加えて、商品やサービスについて、特徴や価格をわかりやすく表示することも重要です。価格や送料、商品の特徴、使用方法などの情報をわかりやすく伝えられるように心がけましょう。
商品レビュー・口コミの活用
商品レビューは、ユーザーがECサイトでの購入を判断するうえで重要な要素です。実際に商品を購入した人の感想は、これから買おうと考えている人にとって信頼できる情報源となります。
ECサイトでは、レビューを投稿しやすい仕組みを整えたり、インセンティブを提供したりすることで、レビューの量と質を高めていくことが求められます。さらに、SNSでのレビュー拡散を促進することで、商品の認知度向上と新規顧客の獲得にもつなげられるでしょう。
ただし、高評価レビューを強要することは、ショップの信頼性を損なうため、控える必要があります。レビューの数を増やすことだけを目的とせず、購入者が自由に正直な感想を書ける環境を整えることが大切です。
サイト内検索とレコメンドの活用
ECサイトの売上アップには、「商品を見つけやすくする機能」と「おすすめ商品を表示する機能」を活用することが大切です。
商品を探しやすくする「サイト内検索機能」は、入力中に候補を表示する「サジェスト機能」や、カテゴリや価格で絞り込める「ドリルダウン機能」があります。この機能があることで、ユーザーの商品購入までの時間が短縮できます。
レコメンド機能(おすすめ表示)は、ユーザーがどんな商品を見たり買ったりしたかという情報をもとに、興味がありそうな商品を自動的に表示する仕組みです。
これらの機能を導入する際は以下の点に注意が必要です。
- 検索結果が「0件」とならないよう、似た言葉での検索にも対応すること
- おすすめ商品は、実際の購入データに基づいて表示すること
- 定期的に機能の効果を確認し、必要に応じて改善すること
これらの機能を適切に活用することで、ユーザーが欲しい商品を見つけやすくなり、結果として売上アップにつなげられるでしょう。
「カゴ落ち」対策の実施
ECサイトの売上を伸ばすには、「カゴ落ち」対策を講じる必要があります。カゴ落ちとは、商品をカートに入れたものの、購入に至らずに離脱してしまうことを指します。
カゴ落ちを防ぐためには、購入手続きの簡素化や、送料無料の設定、セキュリティ面の強化などが有効です。また、カゴ落ちしたユーザーに対して、リマーケティング広告やメールでのフォローアップを行なうことで、購入につなげることもできます。
カゴ落ちの原因を分析し、ユーザーの心理的障壁を取り除くことで、ECサイトの売上を伸ばせるでしょう。
リピーター増加のための施策
ECサイトのリピーター施策は売上向上の土台となるため、効果的な取り組みを実践することが大切です。顧客満足度を高めるためにも、戦略的なアプローチを始めましょう。ここでは、リピーター獲得のための具体的な施策について解説します。
会員特典とポイントプログラムの実施
会員特典やポイントプログラムは、ECサイトにおけるリピート購入促進に欠かせない施策です。会員限定の送料無料サービスを導入することで、会員登録を促進し、リピート購入のハードルを下げられます。
また、商品到着後のレビュー依頼メールにクーポンやポイントを付与することで、レビュー投稿とリピート購入を同時に促せるでしょう。
さらに、会員をセグメント化し、属性に合わせたメールを配信することで、顧客の興味関心を高め、購買意欲を喚起できます。特に、優良顧客に対しては特別な特典を提供し、満足度を高めることが重要です。
効果的なメールマーケティング
ECサイトにおけるメールマーケティングは、顧客とのコミュニケーションを深め、リピート購入の促進につなげられます。会員登録時や購入後のメールで、顧客の属性に合わせたおすすめ商品や特典情報を配信することで、顧客の興味関心を高め、再購入につなげることができます。
また、購入履歴に基づいたパーソナライズされたメールを送ることで、顧客の満足度を高められます。配信頻度や配信タイミングを適切に設定し、顧客の購買サイクルに合わせたアプローチを行なうことが重要です。
加えて、メルマガ読者限定のセールやクーポン配布など、特別感のある企画を実施することで、オープン率や購入率の向上が期待できるでしょう。
オンラインとオフラインの連携
実店舗とECサイトの連携戦略は、顧客にスムーズな購買体験を提供できます。販売チャネルの垣根をなくし、顧客が望む場所や方法で商品を購入できる環境を整えることで、購買意欲を高められます。
具体的な取り組みとして、ECサイトで商品を閲覧し、実店舗で試着・購入できるサービスや、店頭で購入した商品を自宅に配送するサービスなどが挙げられます。このように、オンラインとオフラインの利点を組み合わせることで、顧客の利便性が向上します。
スマートフォンで在庫確認ができる機能や、店舗での受け取り予約システムなど、顧客のニーズに応える仕組みづくりが重要です。顧客にとってのメリットを追求することで、ECサイトと実店舗の相乗効果が生まれ、売上アップにつながります。
イベントやキャンペーンの企画・実施
イベントやキャンペーンは、ECサイトにおけるリピーター増加に効果的な施策です。会員限定のセールは、会員登録を促進し、リピート購入のきっかけを作れます。
また、季節ごとのキャンペーンや、商品カテゴリー別の特集企画を実施することで、顧客の興味関心を喚起し、購買意欲を高められるでしょう。SNSと連動したキャンペーンを展開することで、ECサイトの認知度向上と新規顧客の獲得も期待できます。
キャンペーンの企画にあたっては、顧客のニーズや購買行動を十分に分析し、適切なタイミングで実施することが重要です。
まとめ
ECサイトのマーケティングは顧客のニーズを理解し、適切なタイミングで最適な商品を提案することで、継続的な売上につながります。
売上向上のためにも、実店舗との連携や顧客データの分析を活用し、購入者目線に立ったサービス改善を進めましょう。