【事例紹介】採用ブランディングの主役は一人ひとりの社員!

こんにちは、hakutsuです。

今回の事例紹介は採用ブランディングに成功し、対前年比280%の採用成功を実現したベンチャー企業になります。

【背景と課題】

HRテックベンチャーのC社。創業以来コツコツと育ててきたプロダクトがようやく時代のニーズとリンクし、ベンチャーキャピタルからの資金調達にも成功。ローカルではありますがテレビCMも打つなど、まさに第二創業期を迎えていました。

しかし、それまで今ひとつインパクトに欠ける事業展開だったことから学生や求職者からの認知度は非常に低く、就職先、転職先としての候補に上がることもほとんどありませんでした。従来の堅実路線で事業拡大を図っていくのであればそれでも問題はなかったのですが、時流に乗り始めている今、従業員数不足は成長のアキレス腱。

そこで人事採用責任者を中心に採用ブランディングに着手しました。ところが具体的に何から始めたらいいのか、知見のあるメンバーが社内にいません。そこで私の元に相談が来たのでした。

【アセットを見極めてやることを絞る】

まず私が着手したのはC社のアセットを明確にすること。アセットとは資産のことで、特にその会社が保有しているバリューや魅力を指します。テック系ベンチャーの場合、ついプロダクトに走りがちですが、そしてC社のプロジェクトチームもその予定でありましたが、必ずしも採用においては正解とは限りません。

また、チームの皆さんがディスカッションしていたのは採用スローガンをどうするか、ということでした。私はコピーライターとしてこれまで数十社に及ぶ採用スローガンやコンセプトワードを作ってきたので、その実績が買われて声をかけていただいたのです。しかし、最初の会議で私が提案したのは何かフレーズのようなものを作るのはやめませんか、というもの。

と、いうのも採用ブランディングにおいてスローガンやキャッチーなフレーズを作るとそれだけで何かやりきった感が生まれ、その先のアクションに繋がらないことが多いからです。そして私はメンバーの皆さんに「採用ブランディングにおいては、いいことを言うよりも、いいことをやる方が大切です」とお伝えしました。

それでアセット探しからやり直すことにしたのです。その結果、C社のアセットは「人」であることが判明。一人ひとりが創業からの苦労をそれぞれの持ち場、それぞれの立場から語れることがわかったのです。これは強い、と認識した私は社員インタビューを連載していく提案をしました。そして、それ以外のことはやらない、ということも宣言したのです。

【網羅性より一点訴求】

採用ブランディングに限った話ではないのですが、あれもこれもやろうとすると手が回らなくなりがちです。また複雑な構造の取り組みは属人性が高くなりすぎて、担当者の病欠や退職と共に終了フラグが立ってしまいがち。そうならないためにもやることをシンプルに削ぎ落とし、誰でも実現可能なコンテンツを企画することにしました。

その結果が社員インタビューになるわけですが、ここに企画のキモがあります。単なるインタビューではなく、その記事内でリスペクトする仲間を一人あげ、その理由とともに次のインタビューに指名するリレー形式を作ったのです。

こうすることによって人の良さ、チームワーク、心理的安全性、自分もその輪に加わりたいと思わせることなどさまざまな訴求効果が生まれると考えました。

結果は…大成功。週1回の連載で半年かけて全社員がリレーのようにバトンを渡しながら登場することに。掲載メディアを低コストでコンテンツを掲載できるWANTEDLYに絞ったのも功を奏したのでしょう、対前年比280%の採用人数を達成した月もありました。

WANTEDLYは主にキャリア採用のメディアとして知られていますが、新卒に対しても効果がありました。ポイントは学生とのやり取りに使うメールで案内すること、メールのシグネチャーにURLを併記すること。その際も「回せ!社員の魂のバトン!絶賛連載中リレーインタビューはこちら!」といった惹きのあるフレーズでのインビテーションを心がけるなど、さまざまなマーケティングテクニックを活用しました。

【まとめ】

採用ブランディングというとつい、肩に力の入った取り組みになってしまいがちですが、自社の魅力や持ち味を見せる上で背伸びをするのは良くありません。なんといっても外から見ている分には良くても、入社後になんだ全然違うじゃないか、ということになってしまいます。これは絶対に避けたいところ。

それだけに組織活性化や採用周りの経験と実績が豊富なCIN GROUPのasnaroには日々、お問い合わせが舞い込んでくるのでしょう。相談は無料ですので、採用ブランディングでお悩みの方、ぜひお声がけくださいませ。

【事例紹介】パーパスを明確にして業績拡大!

こんにちは、hakutsuです。

今回は事例紹介として、インナーブランディングの整備によって結果的に業績拡大へと結びついたケースをお届けいたします。

課題と背景

非常に高学歴で優秀な経営者が自力で作り上げたプロダクトを持つ某テック系企業。最初はたったひとりの船出でしたが、やがてひとり、ふたりと仲間が増え、プロダクトも洗練されていきます。あわせてサービスも世の中に出して恥ずかしくないクオリティにまで成長。ユーザー数もぐんぐん伸びているのですが…なぜか経営者は浮かぬ顔でした。

それは、社員が50名を超えたあたりから。どうも経営者は最初に会社を立ち上げた想いや視点が薄くなりつつあるように感じていたようです。そこで相談を受けた私は、経営理念のようなものがあるかどうかを確認。すると、あるにはあるが、それがどうしたんですか?という反応。

経営トップ自らがMVVの意義や意味を理解されていなかったのでした。

まずはプロジェクト化

はじめにわたしから、社員のマインドやまなざしをひとつの方向に揃えるのであればインナーブランディングが必要である、というプレゼンテーションをいたしました。そして形としてはミッション・ポジション・行動指針の3つを言語化しましょう、と提案。もともとあった経営理念はトップの願いがこもっていたので、一旦ビジョンとして据え置くことに。

ミッションと行動指針づくりには社内にプロジェクトチームをつくる必要がありました。そこでキャスティングはお任せした上でPJTを組閣。まず社員のES調査とフリーアンケートから満たされているものはなにか、足りていないものはなにかを分布図にまとめました。そこから「仲間」「顧客」「社会」「仕事」「成長」などのキーワードを抽出し、それぞれの意見を分類。何を言うべきかを整理しました。

ある程度言葉の骨格が見えてきたところで役員会議を実施。そこで大枠の方向性を議論し、ミッションのあるべき姿、行動指針の使われ方といった踏み込んだ内容まで煮詰めることにしました。

最後はトップの視座の高さ

そうして半年かけてミッション、ビジョン、行動指針が完成したのが年末。わたしも重い荷物を降ろして、ゆっくり年末年始を楽しむつもりでした…が…クリスマスの夜にトップから呼び出されます。

「大変素晴らしいMVVを作ってくれてありがとう。100点の出来だと思う。ただ、ぼくらは100点じゃダメだと思う。やるからには180点まで持っていきたい」

年末年始をゆっくりする計画はすべて水疱に帰しました。が、しかし、逆に意気に感じたことでこちらのやる気にも火が就きました。それからというもの、約1ヶ月かけて週3回、トップと膝をつきあわせて激論。ひとつのフレーズのバリエーションだけで100本以上持参して、オフィスの床一面に並べてああでもない、こうでもないとやりとりしたことも。

その結果、非常に満足のいくミッション・ビジョン・バリューが完成。しかも自己満足で終わるのではなく、このMVVをリリースしてからというものの事業が急成長を遂げ、半年後には上場、さらに1年後には東証一部へ市場替えまで果たしたのでした。

まとめ

取り掛かりの時点では業績拡大までは念頭に置いていませんでした。それよりも、トップの頭の中には社員みんなとの一体感が欲しいという、純粋な願いでした。しかし、ひとつひとつのステップを確実に踏んで、最後までクオリティにこだわりきることで、作り手の予想を大きく超えるレベルで社員にトップのマインドが伝播。まさしく全員経営、ひとりひとりが自分ごとで事業に取り組むようになり、結果として圧倒的な業績拡大に結びついた事例でした。

インナー、アウターに限らずブランディングは短期的な成果を追求するものではありません。あくまでステークホルダーとの関係性を良好なものにし、長期的、継続的に絆を深めていくものです。ただし正しいブランディングは早いか遅いかはありますが必ず結果が後からついてくるものでもあります。

【事例紹介】MVV策定からカルチャーブック、掲示物まで

こんにちは、hakutsuです。

今回は事例紹介としてインナーブランディングを起点とした組織活性化支援をご紹介いたします。

課題と背景

インターネットリサーチを主要事業とするA社はニーズの高まりを背景に急成長を遂げました。さらに海外のネットベンチャーを次々とM&Aすることで事業領域や組織も拡大の一途を辿っています。成長カーブが右肩上がりの間というのは些末な問題も勢いで乗り切れるものですが、ほんの少しでも曲線が緩やかになると途端にあらわれるのが社内にはびこる諸問題。それまで手つかずだったさまざまな課題がいきなり解像度高く経営陣に迫ってきます。

その中で特に顕著にあらわれるのが社員の定着率、あるいはモチベーションの低下。それまでの属人的な、あるいは場当たり的ともいえるマネジメントがいきなり効き目を失うものです。こんなとき、枝葉に手をいれるのではなく、課題の本質に目を向けたのがA社の経営企画室長。ひとつひとつの患部を手当するのではなく、病巣のまんなかに直接手をいれることで一点突破、全体最適を図ろうと立ち上がりました。

取組みに着手

そこでご相談を受けたのがCIN GROUPです。私たちがご提案するまでもなく社内活性化に最も有効な手法は「ミッション・ビジョン・バリューの再構築」と認識されており、現場のアセスメントから経営トップとのコミュニケーションまで前さばきと言われる作業はすべて経営企画室長が実施されていました。

さあ、こうなればあとはエグゼキューションです。最終的なアウトプットの精度を高めるために、抽出されたキーワードや経営トップの思い、過去のインタビュー記事などをディープラーニング。まるでイタコの口寄せのようにA社経営陣に乗り移り、社員への思いと願いをワーディングしていきました。

結果として半年かけてミッション、ビジョン、バリューを策定。まずは企業HPへの掲載を実施します。しかし、ここで終わらないのがA社の独自性を物語ります。

作って終わりではなく

翌年のこと。経営企画室長に呼ばれた私は驚くべき企画を打ち明けられます。それは以前策定したMVVをベースに、階層ごとの名称・役割・心得をすべて言語化したい、というものでした。それらをひとつにまとめて社員に配布。日々手にすることで浸透を図るのが目的とのこと。

そこで私はCIN GROUPのクリエイティブを司るデザインチームに相談。さまざまなアイディアを先方とぶつけ合う中で生まれた結論が『CULTURE BOOK』の作成でした。会社の文化を表すこの『CULTURE BOOK』は新人からミドル、専門職、さらには役員クラスまでそれぞれの役割、目指すべき方向、そして心がけを列記。オリジナルのイラストとともに紹介しています。ページ数にして100P超え。装丁にもこだわり、豪華な仕上がりとなりました。

もちろん社内でも話題に。既存社員だけでなく内定出しをした求職者にも事前に配り、現場の理解を早期に深めてもらうことにも役立ちました。

展開は続く

さらにその翌年には『CULTURE BOOK』の内容を大きく引き伸ばしてパネル化。オフィスの壁の空きスペースに掲出する取組みにも発展。経営企画室長だけでなく経営トップも、また役員一同で自社の文化を醸成させていこうという機運はさらに続いていき、次回はブックの一層の充実や、テクニカル面での社員教育支援などもコンテンツ化していく予定です。

まとめ

A社の場合は特別な事例かもしれませんが、何より大切なことはMVV策定などの取組みを「作って終わり」にしない姿勢です。そのためにはキーマン一人だけでなく、経営トップや役員、ミドルクラスまで巻き込んで自分ごと化してもらうことが欠かせません。ぜひ、この事例を読んで「うちも!」と思った方。まずはトップと膝を交えて自社の課題の言語化、明確化からはじめてみませんか?その上でクリエイティブの力が必要になったらお声がけください。喜んでお手伝いさせていただきます。

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