【中小~大手まで】おすすめの3PL企業10社を徹底比較
「どのような3PL企業があるか?」
「3PL企業各社、どのようなサービス内容か?」
3PLはコストの面や生産性の面でさまざまなメリットがありますが、適切な3PL企業を選定するには、3PLについての知識を深め、各社のサービスの特徴を理解しておくことが大切です。
そこで今回は、3PLの概要やメリット、10社の3PL企業の特徴を解説します。3PLを検討している方はぜひ参考にしてください。
3PLとは?
3PL(サードパーティー・ロジスティクス)とは、荷物の輸送や在庫管理などの物流業務を自社で行なわず、第三者に委託する業務形態のことを指します。
近年、物流を監視するには高度なシステムが必要となってきています。ドライバーや倉庫も管理する必要があり、これらを自社で行なおうとすると、膨大なコストと手間がかかるのが実情となっています。
そのような問題を解決できるのが3PLです。3PLはコストの面や生産性の面でさまざまなメリットがあるため、現在の物流業界で広く浸透しています。
3PLのメリット
3PLはビジネスにおいて、さまざまなメリットがあります。ここでは、3PLのメリットを3つ解説します。
コストの最適化
3PLを導入することで、物流コストを最適化できます。3PLで委託する業者は、物流の専門のノウハウを持ち合わせていることから、適切な価格設定や効率的な輸送ルートの選定、在庫管理の最適化が可能となるためです。
また、車両や倉庫にかかる固定費用も削減できます。3PLで固定費としてかかっていたコストを変動費に変えられるので、取扱いの少ない月は費用を削減できるようになります。
サービス品質の向上
3PLは、効率の良い物流を実現できることから、サービスの品質を向上させ、顧客満足度を高められます。物流の専門家である第三者に委託することで、効率的な運用が可能となり、物流スピードや物流品質の向上に繋がります。商品を正確にスピード感をもって届けられることは、企業の信頼にもつながる大きなメリットといえます。
販路の拡大
3PLを導入するメリットの3つ目として、販路の拡大が挙げられます。多様な配送先や配送方法に自社で対応するのは困難ですが、3PLを導入すれば、専門的な知識を持ち合わせていることから、幅広い配送方法に対応できるようになります。
3PLを利用すれば、ECサイトの配送も対応可能となり、新たな販路を開拓できます。また、輸入品を取り扱う事業者でも正確な取引ができます。そのため、海外物流への進出サポートによる販路拡大にも繋げていけるでしょう。
3PLのデメリット
一方で、3PLには次のようなデメリットもあります。
- 情報が外部に漏れる可能性
- 業者選定に失敗するリスク
顧客データなどの情報は外部に流出しないために厳密に保管する必要があります。
しかし、3PL企業に物流業務を委託するとなると、サービスの性質上、そうしたデータを共有する必要が出てきます。
また、世の中には多くの3PL企業があるため、業者選定を誤ると配送の遅延や品質の低下、コスト増などの問題が発生する可能性もあります。
3PL企業を選定する際は、その企業の信頼性や実績、技術力などを十分に確認したうえで、契約を結ぶようにしましょう。
3PL企業の選び方で失敗しないためには?
3PL企業の選定で失敗しないためには、いくつかのポイントを考慮しながらサービスを比較検討する必要があります。
この章では、3PL企業を選択する際に確認すべきポイントについて解説します。
提案力があるか
3PLで失敗しないためには、企業に提案力があるか確認することが大切です。
3PL企業が荷主企業に代わって、効率的な物流システムを構築する必要があり、物流コストの削減や、サービス品質向上につながる高い提案力が求められるためです。
そのため、運用開始後に、積極的にシステムの改善を提案してくれるような企業を選択する必要があります。
提案力があるか見極めるためには、企業の資料や見積書の内容だけでなく、アフターサポート内容や、販売計画などを踏まえた柔軟な提案ができるかもチェックすることが重要なポイントです。
委託したい品物を取り扱いできるか
3PL企業を選ぶ際は、委託したい品物の取扱いがあるか確認するようにしましょう。
これは、3PL企業のサービスが、荷主企業の商品特性や取扱い要件に適合していないと、サービスを利用できないためです。
たとえば、冷蔵・冷凍商品を取り扱う場合は、特定の温度管理が必要となります。この場合、3PL企業が冷蔵・冷凍商品の取扱いの経験があるか、設備が整っているかを事前に確認しておくことが大切です。
コスト削減が期待できるか
3PLの企業を検討するのであれば、コスト削減ができるのかを事前に確認しておきましょう。
上手く連携がとれない企業だと、過度な業務を委託してしまい、思ったほどコストが削減できない可能性があるためです。
そのような事態を避けるためにも、業務の範囲が明確な企業を選ぶことをおすすめします。加えて、コミュ二ケーションがよくとれる企業を選ぶと、相互の認識のズレを最小限に抑えられ、コストの削減を実現できます。
【中小~大手まで】おすすめの3PL企業10社を比較
自社に合う3PLの企業を選ぶには、複数のサービスを比較検討することが大切です。
それぞれの企業の特徴を押さえると、比較がしやすく、自社に合う企業を見つけられます。
そこでこの章では、10社の3PL企業をご紹介します。
株式会社CIN GROUP
特長
CIN GROUPは、商品企画から販売までのトータルコーディネーターとして活動しています。CIN GROUPのECソリューションでは、商品の発注から決済、ピッキング、配送までをトータルにサポートするフルフィルメントサービスを提案しています。
通常は固定費の契約が一般的ですが、CIN GROUPでは収益の分配比率を定めてから取引を開始するレベニューシェアでの契約を実施しています。これにより、コスト削減が実現し、ノウハウを共有することによって、サービスレベルを向上させることが可能となります。
加えて、物流だけでなく、Web製作やWeb集客、人材採用などの各分野に特化したグループ全社が業務提携し、高いサービスクオリティを担保します。
ここがポイント!
- 固定費の契約ではなく、レベニューシェアでの契約
- 発注から決済、ピッキングや発送までトータルでサポート
- 物流だけでなくWeb製作やWeb集客など、各分野に特化したグループ全社が業務提携
鈴与株式会社
特長
鈴与株式会社は、220年以上の歴史を持つ物流企業で、そのビジネスは物流を中心に展開しています。事業内容は多岐に渡り、港湾運送事業、海上運送事業、自動車運送取扱業などが挙げられます。
創業1801年以来、物流事業を介して、幅広い業界の課題を解決し、ニーズに応えています。国内外の現場で培ったノウハウを伝承し、1,000名以上の経験豊富なスタッフと、4,000名以上の使命感を持った現場作業員とドライバーにより高品質な物流をサービスを提供。
鈴与株式会社は、独自開発の分析シュミレーションを活用し、最適となる物流ネットワークを提案します。
ここがポイント!
- 220年以上の歴史をもつ物流企業
- 国内外の現場で培ったノウハウを伝承
- 独自開発の分析シュミレーションを活用し、物流ネットワークの最適化を提案
株式会社アクセストレードセンター
特長
株式会社アクセストレードセンターは、平成21年に独立して以来、物流のエキスパートとして、様々なニーズに対応し、きめ細かいサービスを提供しています。
アクセストレードセンターは東京23区内の練馬区に発送拠点を持っています。そのため、発送コストの軽減ができるだけでなく、急な事態にもスムーズに対応します。商品の入荷から保管、ピッキング、部品を組み立てるアッセンブリにも対応。国内だけでなく海外発送も行っています。そのため、グローバルなビジネス展開が可能になるでしょう。
加えて、チラシの差し込みや折込にも対応しています。印刷会社の納品も可能なので、DMの発送やキャンペーンの告知など、顧客満足度の向上につながるアクションを起こすことも可能です。
ここがポイント!
- 23区内の練馬区に拠点があるので、急な事態にもスムーズに対応
- 海外発送もできる
- チラシの差し込みや折込にも対応
長島梱包株式会社
特長
長島梱包株式会社は大正15年の創業より90年を超える歴史の中、梱包を中心に、3PL、包装材・物流資材販売などを行ってきた会社です。長年に渡る経験とECビジネスのノウハウを活かした物流・販促サポートが強みです。
特に、物流代行は、20年以上の経験があり、3PLなど、クライアントの幅広いニーズに対応します。加えて、ECコンサルタントの経験をもつスタッフも多数在籍。これにより、販売促進につながるような提案も可能なことから、ビジネスの拡大や顧客満足度の向上も期待できるでしょう。
長島梱包株式会社は、クライアントの物流課題を解決するためのノウハウを活かし、大切な製品に関わる物流をワンストップで提案できる企業です。
ここがポイント!
- 長年にわたるECビジネスのノウハウを活かした物流・販促サポートが強み
- ECコンサルタントが多数在籍
- 販売促進につながるような提案も可能
株式会社S‐PAL
特長
株式会社S-PALは、千葉県船橋市に本社を置く物流会社です。冷凍・冷蔵・常温の3温に一気通貫で対応できることから、クライアントの管理負担を減らすことができます。独自のノウハウに基づき、受注から発送まで迅速に対応可能です。
また、クライアントの細かい要望に応える誠実な対応もS-PALの強みです。取引している物流会社と密な連携をすることで、臨機応変な対応ができます。
加えて、在庫管理システムを活用し、商品の在庫を適切に管理。リアルタイムで確認でき、レポート報告も可能なので、経営策略の資料として活用できます。
ここがポイント!
- 冷凍・冷蔵・常温の3温に一気通貫で対応
- 取引している物流会社と密な連携をすることで、臨機応変な対応
- 在庫管理システムを活用し、商品の在庫を適切に管理
株式会社セイノー情報サービス
特長
株式会社セイノー情報サービスは、1984年に設立しました。倉庫業や貨物運送取扱事業、不動産賃貸事業などを手掛ける企業です。物流ロジスティクスにおいて幅広いサービスを提供しています。
加えて、物流現場の各フェーズにおける最適なITソリューションを提供。現場作業や管理業務の効率化が実現可能です。
加えて、クライアントがやりたい事だけでなく、やるべきことを提案。経営課題を共に解決していきます。物流業務クラウドでは、3PLに基づき、戦略策定〜運営・運用管理サービスを適切に組み合わせて提供。これにより、本業への集中を促進し、競争優位を支援します。
ここがポイント!
- 物流ロジスティクスにおいて幅広いサービスを提供
- ITサービスは、ロジスティクス・サプライチェーンの変革を実現
- 3PLに基づき、戦略策定〜運営・運用管理サービスを適切に組み合わせて提供
株式会社共立トランスポート
特長
株式会社共立トランスポートは、大阪府を拠点に全国で運送業を展開しています。早朝から深夜まで24時間365日受注から出発・完了報告まで行います。
通常運送のほか、危険物やメディカル輸送、空港宅配サービスなど幅広い物流に対応。大手輸送会社では対応が難しい荷物も、有資格者のスタッフが専門設備を用いて責任をもって配送します。
加えて、軽四車から10t車、冷蔵冷凍車など多数保有。月間1000件以上の実績で、冷凍冷蔵便、航空便・ハンドキャリー便など多様なオーダーに対応できます。包括貨物保険5,000万まで加入していて、商品引き取り時のダメージチェックや全車施錠対応など、安心・安全への取り組みを徹底している企業です。
ここがポイント!
- 早朝から深夜まで24時間365日対応可能
- 危険物やメディカル輸送、空港宅配サービスなど幅広い物流に対応
- 冷凍冷蔵便、航空便・ハンドキャリー便など多様なオーダーに対応
日本通運株式会社
特長
日本通運は、豊富なアセットやノウハウを有する総合物流企業として、高度な3PLサービスを提供しています。国内1位の倉庫保有面積があることから、国内外を問わず物流の拠点として利用できるのが強みです。
また、創業以来培った物流に関するあらゆるノウハウをシステムとして具現化。クライアントの実態に即した最適なシステムを提供します。
加えて、陸・海・空それぞれの国内、国際輸送と豊富な倉庫拠点を駆使し、最適なロジスティクス環境を提案します。メディカルや飲料、精密機器など30業種別の専任スタッフが在籍していることから、コスト分析から最適ロジスティクス環境の提案ができる最大規模の企業といえるでしょう。
ここがポイント!
- 国内1位の倉庫保有面積があることから、国内外を問わず物流の拠点として利用できる
- クライアントの実態に即した最適なシステムを提供
- メディカルや飲料、精密機器など30業種別の専任スタッフが在籍
富士物流株式会社
特長
富士物流株式会社は、物流全体を一括して請け負い、物流に関するあらゆる業務やコンサルティングを行う会社です。商品の入荷から保管、検品、システム構築や改善提案など、さまざまな物流業務一括をサポートします。
効率性を追求した倉庫レイアウトの設計、カスタマイズ可能な倉庫管理システム(WMS)やRFID技術(IT化・自動化を進める基盤技術)の活用、保管から輸送まで品質とコストを最適化する包装仕様を提案。
加えて、海外の拠点においても、国内の物流センターで培ったノウハウを活かし国内と同レベルのサービス品質を維持しています。常に最適なサービスを提供するために、現状業務の調査・検証を行い、改善課題を抽出し、解決するというサイクルを展開しています。
これにより、高いレベルでの標準化を実現し、安定した品質で物流サービスを提供し続けている企業です。
ここがポイント!
- 商品の入荷から保管、検品、システム構築や改善提案など、さまざまな物流業務一括をサポート
- カスタマイズ可能な倉庫管理システム(WMS)やRFID技術(IT化・自動化を進める基盤技術)の活用
- 保管から輸送まで品質とコストを最適化する包装仕様を提案
- 海外の拠点においても国内と同レベルのサービス品質を維持
株式会社AZプランニング
特長
株式会社AZプランニングは、物流加工受託請負事業、ロジスティックシステム開発事業、物流コンサルティング事業を主に行っている会社です。
最大の特徴は独自のネットワークを活用した柔軟な対応力です。これにより、急な変更にも対応でき、ビジネスのスピードを落とすことなく、顧客へのサービス提供を続けることが可能となります。
また、物流加工サービスでは、複数の協力会社と連携していることから、短納期の案件にも対応可能。最適な人材配置、業務フローなどをプランニングすることで、クライアントのニーズに対応します。
加えて、物流コンサルティングも行っていることから、スピーディな分析と提案で事業をサポート。迅速かつ丁寧な対応が魅力の会社です。
ここがポイント!
- 迅速かつ丁寧な対応
- 独自のネットワークを活用した柔軟な対応力
- 物流コンサルティングではスピーディな分析と提案で事業をサポート
3PLに関するFAQ
Q.1PL、2PL、4PLとの違いは?
3PLと1PL、2PL、4PLには以下のような違いがあります。
1PL:商品の生産や販売を行う製造メーカーや小売業者自体を指す
2PL:運送企業や倉庫企業など、物流機能を一部提供する事業者を指す
4PL:物流戦略全体を設計、統合する事業者を指す
4PLについて補足すると、3PLが実際の物流業務を手がけるのに対し、4PLは戦略を立案したりするコンサルティング的な位置づけになります。
したがって、3PLと4PLの最大の違いは、物流業務自体を直接手がけるか、それとも全体の戦略を考える立場か、というところにあります。
3PLとフルフィルメント業者との違いとは?
フルフィルメント業者は、製品の入荷から保管、包装、発送、カスタマーサポートまでを一手に引き受ける業者を指します。
3PL企業は物流業務全体を請け負いますが、フルフィルメント業者はそれに加えて消費者の対応まで請け負ってくれます。たとえば、返品や返金、商品交換、クレームなども対応してくれます。
3PLと倉庫業者の違いとは?
倉庫業者は主に商品の保管を専門に行なう企業です。
単に商品の保管だけでなく、短期間の保管や輸送前後の一時保管、長期間の保管など、保管期間に応じたニーズに対応します。
一方、3PLは倉庫業者が実施する商品の保管業務に加え、さまざまな物流業務を請け負います。在庫管理や配送作業、さらにはシステム運用や物流最適化の提案まで対応します。
つまり、3PLと倉庫業者の違いは、主に業務範囲の広さにあります。
まとめ
3PLとは、荷主企業に代わって第三者が物流システム構築・物流業務の企画・設計・運営を請け負う業態です。自社で物流管理を行うことに難しさを感じているのであれば、3PL企業に業務委託することを検討してみましょう。3PLは、コストの最適化やサービス品質の向上、販路の拡大などのメリットが期待できます。
ただし、事前に情報を調べずに3PL企業を選ぶと失敗してしまう可能性があります。3PL企業の選び方で失敗しないポイントとして、提案力がある企業であるか、委託したい品物の取り扱いがあるか、コスト削減が期待できるかを確認することが大切です。
ぜひ、今回ご紹介した内容を参考に各企業の特徴を確認し、自社に合う3PL企業を検討してみてください。