dm発送代行の費用相場

DM発送代行の費用相場はどのくらい?コストを抑えるポイントも解説

dm発送代行の費用相場

ECサイトの売上向上策として、DM(ダイレクトメール)の活用を検討している方もいるでしょう。しかし、DM発送にかかる費用は、発送形式や依頼する作業範囲によって変動します。そのため、予算を立てるのが難しいと感じるかもしれません。

実は、DM発送の費用は工程ごとに細分化されており、それぞれの内容を理解することで、コストを適切に管理しやすくなります。この記事では、DM発送代行の主な費用項目や料金相場、そしてコストを抑えるためのポイントを解説します。本記事を参考に、費用対効果の高いDM施策を実現させましょう。

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DM発送代行とは?

DM発送代行とは、企業が顧客へ送るダイレクトメールの制作から発送までを、専門業者へ委託するサービスです。

EC事業者にとって、新規顧客の獲得やリピート購入の促進は重要な課題と言えます。しかし、DMの企画から発送までの一連の作業を自社で完結させるには、多くの時間と労力がかかります。

DM発送代行サービスを利用すれば、専門的なノウハウを持つ業者が効率的に作業を進めてくれます。結果として、自社の担当者は本来の業務に集中しやすくなります。

また、業者によっては大量発送による郵送費の割引が適用されることもあるため、コストを抑えられる場合もあります。近年では、宛先データの管理や発送後の効果測定まで、DMマーケティング全体を支援する業者も増えてきました。

本業に集中しながら、効果的なDM施策を実施しやすくなる点が、DM発送代行サービスの大きな利点と言えます。

DM発送代行サービスで依頼できる業務範囲

DM発送代行サービスでは、企画から発送後の分析まで、幅広い業務の依頼が可能です。依頼できる業務の範囲と内容は、主に以下の通りです。

業務範囲 主な業務内容
企画・デザイン制作 ターゲット層に合わせた訴求力の高いDMデザインの作成。
印刷 はがきや封書など、目的に合わせた形式での高品質な印刷。
データ処理 顧客リストの整理、重複チェック、宛名印字、セグメンテーションなど。
封入 カタログ、チラシ、サンプル品などを正確に封筒に入れる作業。
発送 ゆうメールなど、コストをおさえた最適な配送方法の選定と手配。
発送後フォロー 効果測定、レスポンス分析、返送物の処理など。

このように、DM発送のプロセスは多岐にわたります。業者によって対応範囲は異なりますが、多くの場合は企画から発送後のフォローまで、一貫した依頼が可能となります。

DM発送代行の主な費用項目

DM発送代行の費用は、単に印刷費と郵送料だけではありません。サービス内容によってはデザイン制作から発送後の対応まで、各工程で費用が発生します。ここでは、DM発送代行で発生する主な費用項目について解説します。

原稿制作費

DMに記載する内容の企画からデザイン作成までを行なう工程の費用です。原稿の作り方には、以下のような方法があります。

  • 代行業者が用意するテンプレートの活用
  • 自社で作成したデータの入稿
  • 企画からすべてを委託する方法

外部へ委託した場合の費用相場は、はがきサイズ(片面)で8,000~20,000円、A4サイズのチラシ(片面)では10,000~30,000円が目安です。ただし、プロのデザイナーによるオリジナルデザインや、キャッチコピー作成、写真加工まで含めると、料金はさらに上がります。

また、希望すれば制作された原稿データを買い取る選択も可能です。データ買取は追加費用が発生しますが、将来的に他のDMや販促物へデザインを流用できるメリットがあります。

封筒・用紙代(資材費)

DMに使用する封筒や用紙そのものの費用を指し、DMの種類によって大きく異なります。代表的なDMの種類と、それぞれの資材費の相場は以下のとおりです。

DMの種類 資材費の相場(1通あたり) 主な特徴
普通ハガキ 80〜100円 開封不要で目に留まりやすい。最も安価。
圧着ハガキ 100〜230円 多くの情報を掲載でき、親展性が高い。
封書 100〜180円 カタログなど複数のアイテムを同封可能。

普通ハガキは、資材費が安価な点が大きなメリットです。開封せずに読めるため、受け取った相手の目に留まりやすい点も魅力と言えます。

また、圧着ハガキは、V字やZ字に折りたたまれ、内側に情報を記載できる特殊なはがきです。通常のはがきより多くの情報を掲載できるうえ、めくるまで中身が見えないため、プライバシー保護にも適しています。限定キャンペーンの案内など、特別な情報を届ける際に活用されることが多いです。

封書は、チラシやカタログなど、複数の印刷物を同封できる利便性の高さが特徴です。透明なOPP封筒で中身を見せる演出や、中身を隠す紙封筒など、目的に合わせて封筒の種類を選べます。費用は封筒の種類や、中に入れる用紙の質・枚数によって変動します。

印刷費

作成した原稿を、はがきやチラシなどの用紙に印刷する工程の費用です。自社で印刷して入稿する方法もありますが、印刷から発送までを一括で依頼すると手続きがスムーズに進みます。

印刷費の相場は、はがきで60円程度、封書では150円程度が一般的です。印刷部数が多くなるほど単価が下がる傾向にあります。

印刷から発送までを一貫して請け負う業者が多いため、自社で印刷すると依頼できる業者の選択肢が狭まる点には気をつけましょう。

宛名印字・ラベル貼付費

DMや封筒に宛名を印字したり、ラベルを貼り付けたりする作業の費用です。宛名の直接印字は1件あたり2~5円、ラベルシールを貼り付ける場合は3~8円が相場と言えます。印字方法も料金に影響し、インクジェット方式は比較的安価な一方、レーザープリンターによる高品質な印字は割高になる傾向が見られます。

コストを抑える工夫として、透明な窓付き封筒の活用が挙げられます。中の用紙に宛名を印刷すれば、ラベル貼付の工程そのものを省略することも可能です。また、個人情報保護の観点から宛名を隠したい場合には、目隠しシールを貼る選択肢もあります。

その際の追加費用は1枚あたり5~10円が目安です。特に大量発送では、印字の精度がDMの到達率につながるため、エラーチェック可能なサービスを併用することも少なくありません。

封入作業費

封入作業費は、印刷物などを封筒に入れる作業にかかる費用です。1通あたり5〜15円が目安ですが、作業の複雑さによって料金は変動します。

たとえば、チラシ1枚だけのシンプルな封入は安価な一方、カタログやクーポン券など複数のアイテムを同封すると料金が上がります。2点封入の場合、1通あたり8〜12円が一般的です。

さらに、封入物の順番や向きを統一するような細かな要望には、1通あたり2〜5円程度の追加料金がかかる場合もあります。定型サイズであれば機械による自動封入でコストを抑えられますが、特殊な形状や厚みのあるものは手作業での対応となります。手作業の場合、費用は1通あたり20〜30円まで上がる可能性があります。

発送費(郵送・宅配など)

DM発送の費用全体の中でも、発送費は大きな割合を占める項目です。郵送方法によって料金が異なり、自社の目的に合わない方法を選ぶとコストが膨らんでしまう場合があります。

2024年10月の料金改定により、定形郵便は110円から、定形外郵便は140円からとなっています。しかし、大量発送向けの「ゆうメール」(180円から)や、各社が提供する「DM便」(167円程度)などを活用すれば、1通あたりのコストを抑えられます。

さらに、発送通数に応じた大口割引や、バーコード印字で適用される割引などを組み合わせると、より一層のコスト削減が期待できます。配送スピードと料金のバランスを考え、商材や顧客層に合わせた発送方法を選ぶことが大切です。

発送レポート・納品確認オプション費

発送レポートや納品確認オプションは、DM発送の品質管理や効果測定を支えるサービスです。基本的な発送完了の報告は無料で対応する業者もありますが、より詳細なレポートを依頼する場合は追加費用がかかるケースも少なくありません。

また、配達状況を追跡できるサービスもあります。個別の配達確認を行なうことで、不達分の把握や再発送の判断に役立ちます。

さらに高度なオプションとして、レスポンス分析レポートを提供する業者もあります。QRコードやキャンペーンコードを活用した反応率の測定や、地域・属性別の効果分析などが可能です。

こうしたサービスは追加のコストを伴うものの、将来のDM施策の精度を高め、長期的な成果改善につながります。オプションを選択する際は、自社の目的や予算に応じて必要なオプションを取捨選択し、費用対効果を確認することが大切です。

在庫保管料

DM発送代行では、印刷した資材を倉庫に置く際に在庫保管料が発生します。料金は倉庫の面積単価やパレット単位で計算されることが一般的で、常温保管の場合は1パレットあたり数千円程度が目安とされます。

1パレットをおよそ0.5坪として換算する計算方法もあり、坪単価で見た場合は数千円台が相場のようです。大都市圏や港湾エリアなど土地代の高い地域では、この水準を上回るケースもあります。

一方でDM発送代行業者の中には、印刷から発送までを一括で請け負い、一定期間の保管を基本料金に含めるサービスを用意しているところもあります。必要に応じてオンデマンド印刷・発送を活用すれば、在庫を持たずに運用できるため、保管料の削減につながります。

発送計画を年単位で立て、印刷費と保管費の両面からコストバランスを検討することが重要です。

返品・再発送対応費

DM発送にかかる費用を考えるとき、忘れられがちな項目が返品や再発送に伴うコストです。宛先不明や転居によって返送されたDMは、仕分けやデータ修正、廃棄処理を行なうため追加料金が発生します。

再発送を希望すれば、新しい住所の確認に加えて再印刷・再封入・再配送の作業が必要となり、初回と同等の費用負担につながる例も見受けられます。業者ごとに料金体系が異なるため、同じ返送件数でも金額に差が出る点は確認しておくべき事項です。

返送率が上昇すれば、DM施策全体のコストも膨らみます。顧客リストを定期的に更新し、住所変更確認を取り入れることで不要な返送を減らせると考えられます。発送単価だけでなく、こうした追加費用まで含めて計算することが、実際の相場感を正しくつかむための重要なポイントです。

DM発送代行の費用相場はどのくらい?

DM発送代行にかかる費用は、依頼内容や発送形式によって幅があります。一般的には1通あたり40~150円程度の範囲で設定されており、平均的には70円前後に収まるケースが多いようです。

また、発送通数によっても単価は変動します。100通程度の少量では割高になりやすい一方、5,000通以上の大量発送では2~3割程度安くなることがあります。

形式ごとの相場を見ても違いがあります。

  • はがきDM:40~60円
  • 圧着はがき:60~100円
  • 封書タイプ:80~150円

これらはあくまで基本的な料金水準です。

デザイン制作費や宛名データの加工、短納期の対応などの追加作業を依頼すれば、その分費用は増えます。EC事業者の場合、商品カタログの同封や顧客属性ごとに内容を切り替える依頼を行なうと、1通あたり200円を超えるケースも少なくありません。

自社の商品や顧客層に合った発送方法を選び、費用対効果を意識した見積もり比較を行なうことが、効率的なDM運用につながります。

DM発送の費用を抑える5つのポイント

多くのEC事業者にとって課題は「いかにコストを抑えつつ効果的に発送するか」です。実際には、発注方法や仕様の工夫次第で、コストを下げられる余地があります。印刷から発送までの依頼方法や、郵送料金を左右するサイズ・重量、配送手段の選び方など、工夫できる部分は少なくありません。ここでは代表的な5つの工夫をご紹介します。

印刷と発送を一括で依頼する

印刷と発送を同じ業者にまとめて依頼すれば、中間コストを省くことができます。別々の業者を使うと、印刷会社から発送会社への輸送費や管理費が追加されるため、割高となります。

一括依頼では10〜20%程度の割引を設ける業者もあり、品質管理も一元化されます。たとえば季節カタログとクーポンを同封する案件では、工程が複雑になるほど一括対応のメリットが大きくなります。

さらに、デザイン制作まで一社で担えば、やり取りの負担も減り、進行がスムーズに進みます。

定型サイズ・軽量にする

DM発送の費用を抑えるには、郵送料金につながるサイズと重量の調整が欠かせません。定型サイズ(長形3号や洋形0号など)に収めれば、定形外郵便よりも安く発送しやすくなります。定型郵便は、50g以内で110円に設定されています。重量が増えると定形外扱いとなり、50g以内で140円、100g以内で180円と料金が上がります。

参考:国内の料金表(手紙・はがき)

圧着はがきを使えば、封書と同等の情報量を確保しつつ封入作業を省けるため、コスト効率を高めることが可能です。EC事業者がカタログを送る場合も、ページ数を抑えたり、薄手の用紙を選んだりする工夫でコストを下げられます。

また、ゆうメールは2025年11月に料金改定が予定されており、150g以内は190円、250g以内は230円に設定される予定です。さらに500g以内は320円となるため、わずかな重量差が年間の発送コストに大きな影響を及ぼす可能性があります。

参考:ゆうメールの基本運賃改定のお知らせ

宛名リストの精度を上げる

DM発送では、宛名リストの精度を高めることで、コスト削減につなげられます。古い住所や誤った情報のまま発送すると返送が増え、処理や再発送に余分な費用が発生します。再発送では新しい住所の確認に加え、印刷や梱包、再配送が必要になるため、初回に近いコストがかかります。

EC事業者の顧客データは常に変化するため、定期的なデータクリーニングを行ないましょう。重複データの統合や転居先の確認、郵便番号の修正を行なえば、返送を減らし、結果的に発送コストを抑えられます。データ処理には一定の費用が伴いますが、無駄な発送を避けられる点を考えれば、十分な価値があります。

特に大量発送を行なう場合、返送率を下げるだけでも年間コストに差が出ます。

配送方法を見直す

DM発送の費用を抑えるには、配送方法を見直すのも有効です。

定形郵便(110円から)と比較して、カタログのような重さのある印刷物を送る際は「ゆうメール」(180円から)の方が割安になる場合があります。ゆうメールには、バーコードを印字すると適用される割引や、発送通数に応じた大口割引など、複数の割引制度が用意されています。これらを組み合わせることで、さらなるコスト削減が期待できます。

加えて、定期刊行物と認められれば「第三種郵便物」として、より安価な料金で発送する方法もあります。ただし、適用には事前の承認や厳しい条件があるため、すべてのDMが対象となるわけではありません。届けたいスピードとコストのバランスを考えながら、自社のDMに合った配送方法を選びましょう。

定期発注でボリュームディスカウントを狙う

定期的にDMを発送するなら、ボリュームディスカウントの交渉がコスト削減に有効です。単発の発注に比べ、年間契約や定期発注を結ぶと、業者によっては一定の割引を適用してくれる場合があります。

価格面以外にも、専任の担当者がつくことで、デザインの方向性やデータ管理について、長期的な視点からの改善提案を期待できるなど、定期発注にはいくつかメリットがあります。

また、印刷用紙の確保や作業の優先対応などの安定したサービスを受けやすくなる点も魅力です。年間の販促計画に沿って戦略的にDM発送を依頼すれば、効果的なマーケティングとコスト管理の両立をしやすくなります。

費用だけで選ぶのはNG?コスト以外の比較ポイント

DM発送代行業者を選ぶ際、費用以外にも確認すべきポイントがあります。

  • 発送サービスの品質
  • ミスや遅延のリスク管理体制
  • 業務効率化につながる付加サービスの有無

それぞれのポイントについて見ていきましょう。

発送サービスの品質が高いか

発送サービスの品質は、顧客への到達率や企業のブランドイメージにつながる要素です。宛名印字の精度や封入作業の正確性が低いと、個人情報の漏洩などの重大な問題に発展するリスクがあります。品質管理体制を確認する指標として、「ISO9001」のような品質マネジメントに関する国際規格の認証取得の有無が挙げられます。また、作業工程を可視化する仕組みや、サンプルチェック体制が整っているかも確認が必要です。

また、EC事業者にとって納期を守る姿勢も重要視すべきポイントです。セール告知など、タイミングが重要なDMでは、1日の遅れが売上に大きく影響します。業者の過去の実績を確認し、安定して納期を守れるかを判断しましょう。

発送ミスや遅延リスクが少ないか

発送ミスや遅延の少なさは、売上に大きく影響する重要な判断基準です。優良な業者は、ミスを防ぐための厳格な品質管理体制を構築しています。年末商戦など、発送が集中する時期でも安定した納期を守れるか、その業者の繁忙期の対応能力をチェックしましょう。

また、ダブルチェック体制の有無も重要です。宛名印字から封入、発送前の最終確認まで、複数の工程で人の目や機械によるチェック機能が働いているかを確認しましょう。

EC事業者は多くの顧客情報を取り扱うため、セキュリティの高さも確認すべきです。個人情報の取り扱いが適切であることを示す「プライバシーマーク」を取得している業者を選ぶのも、リスク管理の観点から有効な選択肢と言えます。

デザイン制作やCRM連携などの付加サービスがあるか

基本的な印刷・発送サービスに加えて、付加価値の高いサービスを提供しているかどうかも、業者選びの際の重要なポイントです。たとえば、デザイン制作サービスがあれば、社内にデザイナーがいなくても効果的なDMを作成できます。

また、CRM(顧客管理システム)と連携できる業者であれば、購買履歴や顧客属性にもとづいて発送先を自動で分類したり、DMの反響データを自動で取り込んだりして、マーケティング業務を大幅に効率化できます。

デザイン制作やCRM連携などの付加サービスがあるか確認しましょう。

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まとめ

DM発送代行の費用は、依頼する工程やDMの仕様によって変動します。正確な料金を知るためにも、複数社に見積もりを依頼し、比較を行ないましょう。ただし、料金だけで発送代行業者を選ぶのはNGです。料金のほか、サービスの品質やミスの少なさ、付加サービスの有無など、複数の視点から業者を選定することが、効果的なDM発送を実現するポイントとなります。

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